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2021.11.11 08:40

「在所隕石」が高知県香美市に里帰り 香北支所で公開、星のまちPR

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〝里帰り〟した在所隕石のかけら(香美市香北町美良布の同市役所香北支所、国立科学博物館所蔵)

〝里帰り〟した在所隕石のかけら(香美市香北町美良布の同市役所香北支所、国立科学博物館所蔵)

 1898(明治31)年、高知県香美市香北町の民家の庭に落下した「在所隕石(いんせき)」が19日まで、同市役所香北支所で公開されている。国立科学博物館が所蔵する同隕石の一部で、戦前以来、久しぶりの〝里帰り〟。宇宙の神秘が感じられる輝きに多くの人が見入っている。

 隕石は同年2月1日早朝、旧香美郡在所村朴ノ木(ほおのき)の民家の庭に落下。約330グラムあり、住民は「天降石」と呼んで祭った。

講演会で香美市と星の関わりについて説明する宮地竹史さん(香美市香北町美良布の市基幹集落センター)

講演会で香美市と星の関わりについて説明する宮地竹史さん(香美市香北町美良布の市基幹集落センター)

 1937年に光学機器メーカー「五藤光学研究所」の創業者、五藤斉三さん(故人)=安芸市出身=が買い取り、51年に同博物館の分析で日本唯一の石鉄隕石と判明。81年には五藤さんによって、落下地点に記念碑が建てられた。

 里帰り展示は、元石垣島天文台所長の宮地竹史さん(73)=香美市出身=から「香美市を星のまちにしたい」との提案を受けた同市が企画。宮地さんが同博物館に働き掛けて実現した。

 今回展示しているのは、同博物館が研究用に保管している14・7グラムの小さなかけら。赤茶色の断面と金属の光沢が美しい。

 同支所には、市内に10カ所ほどある星神社などを説明するパネルも展示。故やなせたかしさんの「アンパンマン」はパン工場に星が落ちて生まれたとのエピソードや、小説家の故倉橋由美子さん(同市出身)が翻訳した「星の王子さま」にちなんだ小惑星なども紹介し、同市と星の縁をPRしている。

宮地竹史さんが市観光大使に 元石垣島天文台所長
 「香美市を星のまちに」との機運を高めたとして、同市は宮地竹史さんを2人目の観光大使に委嘱した。10月31日の講演会に合わせ、法光院晶一市長から委嘱状を受け取った宮地さんは「物部川と天の川が同時に見られるなど、素晴らしい星空が広がっている。香美市の魅力を全国に発信していきたい」と思いを新たにしていた。(小笠原舞香)

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