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2021.11.05 08:40

香美市のジビエ、身近な食材に 移住男性が捕獲から解体、出荷まで...加工施設を運営

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シカを解体する橘木岳大さん(香美市の高知ジビエ工房)

シカを解体する橘木岳大さん(香美市の高知ジビエ工房)

 香美市内で捕獲されたシカやイノシシ肉をジビエ料理として広めようと、移住男性が同市物部町で加工施設を営んでいる。自身もハンターとして活動する傍ら、解体から出荷までを担い、「人々の暮らしに身近でおいしいジビエを目指したい」と話している。

 長野県出身で、市地域づくり支援員の橘木岳大さん(35)。長野県内のフランス料理店のシェフとして10年ほど働きながら、日本ジビエ振興協会のメンバーとしても活動した。全国各地を回るうちに地方でのジビエ文化普及に興味を持つように。2018年に香美市の地域づくり支援員になり、同市香北町美良布に移住した。

 同市物部町楮佐古で営むのは「高知ジビエ工房」。数年間使われていなかった食肉加工施設の運営を引き継ぎ、今年8月に稼働を始めた。市農林課で有害鳥獣被害対策などに従事しながら、勤務日外に自身や地元猟師が捕獲したシカやイノシシを解体、加工している。

直販所で冷凍販売されているシカの肉。少量で調理しやすいパッケージも魅力だ(香美市の韮生の里美良布直販店)

直販所で冷凍販売されているシカの肉。少量で調理しやすいパッケージも魅力だ(香美市の韮生の里美良布直販店)

 「駆除の延長としてだけでなく、味も上質な肉を提供したい」と、獲物の健康状態や病気の有無なども念入りにチェック。解体した肉は冷蔵庫で1週間熟成させてパック詰めする。家庭でも調理しやすいようスライスや切り落としといった少量サイズで、韮生の里美良布直販店(香北町美良布)で冷凍販売している。

 市農林課によると、昨年度の同市内の有害鳥獣捕獲数はシカ1961頭、イノシシ378頭(8月1日時点)。市が把握している市内の加工施設は他に2軒ある。しかし、商業用に食肉加工するには仕留めてから2時間以内に解体する必要があるなど衛生面の課題もあり、多くが猟師によって自家消費されるか、廃棄されているという。

 「せっかくいただいた命を無駄にせず、地元で消費できるサイクルをつくりたい」と橘木さん。「革製品などの材料を提供するなど、食肉以外の活用の役にも立てれば」と意欲を見せている。(小笠原舞香)

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