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2021.11.04 08:34

魚信 はっぴぃ魚ッチ カジキ「やっちゃった」須崎市の女性 PE2号で50キロ超の巨大魚

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釣り歴4年でカジキを仕留めた和田香さん(須崎市の横浪半島沖)

釣り歴4年でカジキを仕留めた和田香さん(須崎市の横浪半島沖)


 海のドラマは唐突に幕を開ける。

 9月下旬のある日。須崎市の和田香さん(50)は、横浪半島沖でスロージギングを楽しんでいた。

 ジグがヒラヒラと水深100メートルの海底に着いた直後。「ドンッ」という手応えとともに、竿(さお)が絞り込まれた。

 「ん、根掛かり? でも、なんか動く…」

 まさか大物?と思った瞬間、重みがふわりと消えた。「切れた~」とがっくり。手応えのないリールを巻いて糸を回収していたら、いきなり数十メートル前方の海面で「バッシャーン」とカジキが跳ねた。

 その時点で、和田さんはまさかその魚が自分のジグに食いついているとは想像していない。「わっ、こんなん見れるんやぁ」と感激していた。すると、竿先からたるんでいた糸が、巨大魚の方向へと引っ張られていくではないか。

大人2人がかりで船上に引き上げる

大人2人がかりで船上に引き上げる

 「ど~しよ~!」

 仕掛けは、マハタやカサゴ類を狙う2号のPEライン、ショックリーダーは8号。

 歯が立つのか―。

 一方、釣り仲間で船長の岡田進一さん(51)は冷静だった。「バッシャーン」とともに状況を察知。「吻(ふん)に糸が絡まなければ捕れる」。船を操ってカジキを追跡し始めた。

 体長2メートル以上、重量50キロを優に超えるカジキが、海原をぎゅぎゅん走っていく。強烈なパワーで竿が引き込まれ、和田さんは必死で支えた。

 「こ、腰が…」。すかさず背後から船長の声が飛ぶ。

 「カジキと腰と、どっちが大事や!」

 「カ、ヂ、キ…」

ファイトは約30分。船べりに引き寄せ、口元にギャフを掛けた。甲板にドカッと横たわった巨体はシロカワカジキ。和田さんはへなへなとクーラーボックスに座り込んでしまった。

 4年前、知り合いの誘いでキス釣りを体験し、のめり込んだ。今では自らラインシステムを組み、アシストフックも結ぶ。その自作の仕掛けが巨大魚に勝った。

ジグの針は伸び、折れ、かろうじて1本だけ掛かっていた

ジグの針は伸び、折れ、かろうじて1本だけ掛かっていた

 「ほんっと、うれしい。同船したみんなのおかげ。やっちゃったって感じです」

 熱心さが生んだ土佐湾のドラマ。おみそれしました。(本紙・ハチ)

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