2021.08.23 08:33
コロナ・デイズ-高知の記録-エピソード5 鳴子、響かず(1)
追手筋本部競演場は踊り子の晴れ舞台。夜はライトアップされ幻想的な景色も見せる
熱気と喧噪(けんそう)が街を包む。よさこい祭りの日の高知市の夜。待っていた追手筋本部競演場でのパフォーマンスはもうすぐだ。
交差点を抜けて、桟敷席が並ぶ通りに入った。地方車からのあおりに、叫んで応える。曲が始まる。血が体を駆け巡る。まぶしいくらいのライトを浴び、沿道から声が届く。「ああ、これがよさこいだ」と実感が満ちてくる―。
よさこい祭りが2年連続で中止になった2021年の夏。高知市の大学生、太田舞花(19)は数年前の経験をよく思い返すという。
「本当に光の中で踊っているようでした」…