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2021.08.21 08:30

[音土景] 音感じる土佐の風景(8)ふわりふわりと夏の雪

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 器にふわりふわり、真っ白な“雪”が積もっていく。ここは山崎氷店(高知市上町1丁目)。素早く形を整えて、色鮮やかなシロップをちゅうっ。1ミリほどの薄さに削った氷を積み、さらにシロップをちゅうっ。うちわをあおぎ、かき氷を待っていた人たちは「ああ、生き返る」「息が冷たーい。体に染みるう」。ぱくぱく、笑顔で涼をほおばる。

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 店主の山崎俊一さん(68)によると、戦後すぐ、母が越前町にあった親戚の氷店を継いだ。当時は「一夏働けば一年暮らせる」と言われたほど。家庭や喫茶店はもちろん、県庁、市役所の各階にあった給水ポットに氷を入れて回ったという。

 冷凍冷蔵庫が当たり前となった今、配達するのは往時の10分の1ほど、多くて1日約100キロ。ただ、こだわりは昔も今も同じ。「氷は、主役を引き立たせる“切られ役”」と俊一さん。仕入れるのは無味無臭、純度の高い氷のみだ。

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 かき氷を出し始めたのは25年ほど前。近隣のマンション建設の作業員に「食べさせて」とお願いされたことがきっかけ。妻の訓子さん(68)は「うちの人は、氷しか知らん。喜んでくれる人がおるなら、やろうかと」。

 氷のプロが出すかき氷は、たちまち行列ができる人気となった。5年前に車庫を改装、机といすを構えて今の店の形にした。

 イチゴやレモン、ブドウ味などの蜜をかけたかき氷は250円(小中高生は50円引き)。訓子さんや義娘の麻由さん(39)、娘の高木春菜さん(39)が県産のイチゴや小夏、ミカンで作った砂糖漬けをトッピングした豪華版もある。

 近所に住む、常連の米沢美緒さん(8)は「家で作るかき氷と全然違う。何でこんなにおいしいがやろ」。

 そおっとスプーンですくっては、急いで口に運んでぱくり。あっという間に平らげた。

 今夏もまだまだ、たくさんの“雪”が降る。(山下正晃)

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