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2021.04.22 08:55

コロナ禍、五輪やるの?聖火リレーの沿道でも賛否【なるほど!こうち取材班】

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県内各地で多くの県民らが聖火ランナーを歓迎。スポンサー車両のスタッフは応援グッズを配布して盛り上げた。写真上から時計回りに、高知市、香南市、安芸市の沿道のコラージュ(松本康裕作成)

「変異株拡大で無理」「無観客でも開催を」
 東京五輪の聖火リレーが19、20日に高知県内19市町村を巡り、各地で多くの人々がマスク姿で観覧した。ただ、全国的には新型コロナウイルスの「第4波」に見舞われており、五輪開催についても賛否が分かれている。7月23日の開幕まで、残り3カ月。高知新聞「なるほど! こうち取材班」(なるこ取材班)が、高揚感に包まれた聖火リレーの沿道で声を拾った。

 20日夜、高知市の帯屋町アーケード街を、五輪スポンサー車両の長い列が音楽を流しながら進んだ。店の前には人垣ができ、「よさこい級の人出」と評する人も。

 その「密」から2メートルほど下がった場所で、スマートフォンをランナーに向けて撮影する女性がいた。「こんなに大きな音と人だかりは久しぶり。よさこいみたいで気分が上がる」と話すのは市内の病院に勤める看護師(47)。「一生に一度のことだから」と見物に来たという。

 ただ、五輪開催は、「コロナの変異株が急激に拡大している。無理やと思います」ときっぱり。「医療現場は、会食の自粛やら、県外に帰省した後の自主隔離やら、今もぴりぴり。無観客で感染防護対策を取ったとしても開催はかなり厳しいのでは」と話した。

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 県内リレーがフィナーレを迎えた20日、政府は東京都、大阪府、兵庫県に対し、3度目の緊急事態宣言を発令する方針を固めた。菅義偉首相は東京五輪・パラリンピック開催には影響しない、としているが…。

 「第4波が猛威を振るいゆうに、五輪をやる必要があるろうか」。買い物に訪れたスーパー前で、リレーに出くわしたという香南市の男性(63)は辛辣(しんらつ)だ。

 遠巻きに車列を見やり、「国民に『旅行するな』『時短営業にしろ』といろいろ求めちょいて、『五輪はやります』では説明がつかん。ワクチン接種が済んでいるならまだしも…」とぶちまけた。

 対策の「切り札」とされたワクチン接種は、他の先進国と比べてかなり遅れている。それでも沿道では、「五輪で日本が元気になる」「頑張ってきた選手がいる」と、開催の実現を望む声は多かった。

 安芸市で母親と一緒にリレーを見たパート従業員の女性(61)は「コロナ対策を徹底して、無観客でもいいから開催してほしい。コロナで暗い世の中だから、少しでも明るくなれば」と願った。

 感染拡大の深刻化と、五輪ムードの盛り上げが同時進行する状況に違和感を覚える人もいた。

 「五輪への機運が緩さを生んで、コロナが収束しづらくなっているような気もする」

 安芸郡東洋町の自営業女性(46)は「皆で盛り上げよう、盛り上がろうというムードがある一方、外出自粛を求められる地域がある。矛盾というか、ちぐはぐというか。もやもやする」と話した。

 7月23日、東京の国立競技場に聖火はともるのか。リレーは今後も、各地を巡る。(高知新聞取材班)

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