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2021.03.21 08:22

【なるほど!こうち取材班】高知県内聖火リレー予算8000万円超

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19市町村 警備が中心 漁船パレードや神楽も

イラスト・岡崎紗和

 東京五輪の聖火リレーが25日、福島県をスタートする。121日かけて全国を回り、高知県は4月19、20日に走る。これに関し、高知新聞の「なるほど! こうち取材班」(なるこ取材班)に、高知市内の40代女性から、「県は一体どれぐらいの予算を計上しているのか知りたい」との声が寄せられた。県内実施まで約1カ月、各自治体に聞いた。

 聖火リレーは、東京五輪・パラリンピック組織委員会と各都道府県の実行委員会の共催で行う。

 高知県内は19市町村(21区間、計33・7キロ)を走る。初日は高知市桂浜の坂本龍馬像前を出発。県西部を巡り、宿毛市高砂の海風公園にゴールする。2日目は南国市明見の協同組合テクノ高知前をスタート。県東部を経て、高知市中央公園でリレーを終える。

 最短はいの町で、仁淀川を川舟で回る0・5キロ。最長は高知市の計4・1キロ。走者は6~30台の車列や警備員に囲まれて進み、おおむね200メートルごとにトーチの聖火を受け渡す。次区間には、聖火は車で運ばれる。

高い? 安い?
 全国で行うリレーの経費について、東京五輪・パラリンピック組織委員会は「非公表」としている。

 一方、島根県では、知事が新型コロナウイルス対策への不満を訴え、リレー中止の意向を表明した際、2021年度予算案に7200万円を計上したことを公表している。

 高知県はどうか。

 高知県実行委は、コロナ禍でいったんリレー中止が決まる前の2019年度に、看板やのぼり旗などの作製、ランナー募集などで1720万円を使った。2020年度はリレーの日程変更により看板などを作り直す必要があり、決算見込みは約600万円。2021年度予算は5400万円を計上。リレーを実施する19市町村への補助金が大半だが、肝心の補助割合が決まっていないという。

 では、現場の19市町村ではどれくらい経費がかかるのか。それぞれに聞いた見込み額を合計すると、約5800万円。県実行委の2019、20年度の計約2300万円の経費と合わせ、県内では3年間で少なくとも8千万円以上がかかる計算だ。

宿毛市が最多
 19市町村別に内訳を聞いてみると、ほとんどの自治体に共通するのは警備会社への委託料だった。大通りなどを走る場合、警備員は裏辻にも配置される。

 経費が最多の宿毛市は、1261万円を計上。このうち、初日の聖火到着イベントを行う海風公園とリレールートの警備、会場設営の委託料が1211万円となっている。

 同様に、最終日に到着イベントを行う高知市は2日間で1千万円を見込む。うち約400万円が約100人分の警備費で、ほかに市職員やボランティア計500人も警備に当たるという。宿毛より警備費が少ないのは、初日のコース(桂浜の坂本龍馬像前~坂本龍馬記念館、1・1キロ)が早朝で車の往来が少なく、警備員数を抑えられるためだ。

 一方、安芸郡安田町は27万円。コースは安田川沿いの土手(0・6キロ)で、「短いし、観覧エリアとリレーコースをきっちり分けられる」。安田町職員と県警のみで対応が可能と判断した。

 生見海岸(0・7キロ)を走る東洋町は140万円だが、これは砂浜のルート途中に流れる川に「橋を架けるため。終わったら外す」という。奈半利町は30万円。「ふるさと海岸」(1・4キロ)を走るほか、大漁旗を飾った漁船パレードで盛り上げる。

 力の入れぶりが目立つのは高岡郡梼原町。走行距離は0・7キロだが、468万円を計上した。津野山神楽の公演で盛り上げるほか、町内の人に配布するうちわや、ボランティア用のスタッフウエアなど東京五輪公式グッズも約100万円分を購入。吉田尚人町長は「聖火リレーに少しでも関わることで、町民に喜んでもらいたい。応援のうちわを、楽しかった思い出の品としてほしい」と話す。

 なお、リレー走者は全国的に芸能人らの辞退が相次いだが、県実行委によると20日現在、高知県の辞退者はゼロという。(河本真澄)

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