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2021.02.19 08:22

歴史に消えた集落の姿復元 芸西村久重地区、高知城博館が地域記録集

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県立高知城歴史博物館が発行した「地域記録集 土佐の村々4 久重山村」

 高知県立高知城歴史博物館は、安芸郡芸西村久重(くえ)地区の歴史と民俗についてまとめた「地域記録集 土佐の村々4 久重山村(くえやまむら)」を発行した。久重地区は住民が山を下りて廃村となった集落が多くあり、記録集では集落の歴史や古老の生活の記憶を詳細に記している。

 記録集は、江戸時代の村(大字)単位のミクロな歴史を記録しようと、同館の前身の土佐山内家宝物資料館が地域を調査して2013年から発行。これまでに長岡郡大豊町立川、土佐清水市清水、高知市布師田の3地区の歴史をまとめた記録集を発行している。

 今回の記録集では、古代・中世・近世の久重地区の歴史を「長宗我部地検帳」や「山中家文書」から復元。戦国末期には一帯が長宗我部氏の直轄地だったことや江戸期の大雨被害、藩有林の管理などが紹介されている。

 近代にはイモと木炭の生産が盛んだった久重地区だが、戦後の燃料革命とイモの価格暴落で経済的に苦しくなり、多くの住民が山を下りた歴史を整理。特に1960年代に芸西村が支援して進めた集団移住の経緯が、古写真や住民の証言とともに記されている。

 久重地区では板渕やツヅラオなど5集落のうち4集落が廃村に。記録集では元住民への聞き取り調査から、各集落の信仰や生活の記憶が記され、かつての村の姿が復元されている。 

 70年に廃村となった板渕集落出身で、同館の調査に協力した山中祐夫(すけお)さん(90)は、「生まれ育った集落は地図から消えている。記録集の形で村の歴史を残してくれてうれしい」と話している。

 A4判20ページで5千部を製作し、同館と芸西村文化資料館で配布中。同資料館では関連展示「土佐の村々・芸西久重地区編」(5月9日まで)も開かれている。(楠瀬慶太)

高知のニュース 芸西村

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