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2021.02.06 08:00

【女性蔑視発言】森氏は五輪の顔に適さぬ

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 新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、ただでさえ開催に懐疑的な見方が強まっている東京五輪・パラリンピックへの逆風をさらに強めた責任は重い。
 大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言が国内外で批判を広げている。日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、JOCが女性理事を現在の約20%から40%まで増やす方針に関し、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した。
 批判を浴びて翌日には「不適切な表現だった」と発言を撤回して謝罪した。だが、大会の準備や運営を担う組織の責任者は、それで済むような立場ではない。記者会見での反省を感じさせない横柄な態度も火に油を注いだ。
 五輪憲章は、性別を含むあらゆる差別を認めないことを原則に掲げている。国際オリンピック委員会(IOC)が2014年にまとめた五輪改革案「アジェンダ2020」も男女平等の推進をうたう。
 参加者の男女比率を同等にする目標を掲げ、男女混合の団体種目採用も奨励。東京五輪は女子の参加比率が48・8%に達し、24年パリ五輪では史上初めて男女同数が見込まれている。
 世界的にも政治や経済、教育など各分野で男女格差の大きさが批判される日本は、スポーツ界でも組織の意思決定を担う女性の進出が遅れている。
 スポーツ庁は、中央競技団体の女性理事の登用を40%以上とする目標を定めている。これも閉鎖的なスポーツ界を活性化させ、女性や障害者、幅広い年代など裾野を広げる期待が込められていたはずだ。
 森氏の発言は、組織委員会が掲げるコンセプトの一つ、「多様性と調和」にも逆行する。森氏の失言癖は首相時代から知られるが、自らの立場をわきまえず、五輪精神と相いれない発言への反発すら想像できないのなら、東京大会の「顔」として適任ではない。
 ジェンダー意識が高い欧米からは「性差別」「時代遅れ」などと敏感な反応が出ている。収束が見通せない感染症の流行と相まって、女性選手を中心に東京大会を回避するような動きが出ないとも限らない。
 国内の反発も大きい。ツイッター上ではボランティアの辞退も取りざたされている。東京五輪は「新型コロナがどういう形だろうと必ず開催する」という森氏の別の発言に反発した芸能人が、聖火ランナーを辞退する動きも出ている。
 組織委員会の会長自らが東京五輪への国民の疑念や批判を増幅するようでは、競技人生を懸けている選手たちこそが気の毒だ。
 森氏は辞任を否定しながら、「自分からどうしようという気持ちはない」と述べている。
 菅義偉首相は、国会で「五輪の重要な理念である男女共同参画と全く異なる」と述べた。ならば、五輪の理念を重視して森氏に辞任を求めるべきである。 

高知のニュース 社説

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