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2021.02.01 08:00

【教科担任制】児童の「学びたい」向上を

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 学級担任がどの教科の授業も指導する。小学校では当たり前だった教室の光景が変わりそうだ。
 小学5、6年の教科担任制を2022年度をめどに本格導入する。中央教育審議会(中教審)が文部科学相に答申した。
 専門の教員が授業を行う方式で、対象教科に理科と算数、英語を例示した。授業の質を高めて、勉強につまずく児童を減らし、難易度が上がる中学校での学習にもスムーズにつなげる狙いだ。
 学年が上がっても子どもが勉強嫌いにならず、「学びたい」という意欲を持ち続けられる改革としたい。
 社会の国際化や技術革新が進み、小学生が学ぶ内容は広がっている。20年度から英語が正式教科となり、コンピューターが活用できる思考力を養う「プログラミング教育」が理科などに取り入れられた。
 また算数は以前から、学年が上がるにつれて学習内容を理解できない子どもが増え、学ぶ意欲が失われがちだと指摘されてきた。
 これらの教科を分かりやすく教えるには、教員の分野に精通した専門性が物を言う。1人の学級担任が全教科を担当し、授業を準備する従来の方法は、特に高学年で必ずしも質の高い授業に結びついていないとの指摘もある。
 そして学校現場の長時間労働が問題となる中で、教員の働き方改革につなげる狙いもある。
 複数の教員で授業を分担することで、教員1人当たりの負担が減る。そこで生まれた空き時間を効果的に使うことも期待される。
 担当教科の教材研究を充実させたり、これまで放課後などにしか行えなかった提出物のチェックをしたり。導入の先行校では、教員が負担軽減を実感しているという。
 とはいえ、この「改革」には小学校の教員を増員し、専門性の高い人材を確保しなければ対応できないことは明らかだろう。
 教科担任制はこれまでも実技や実験のある音楽や理科などで行われてきた。しかし、算数や教科化される前の英語では進まなかった。専門性を持つ教員が不足しているからだ。
 小学校の教員は文系の人が多い傾向があり、理数系の人材をいかに確保するかも課題になる。
 中教審の答申では、小中両方で教えられるよう教員免許の取得要件を弾力化し、養成課程を共通にすることも提案された。22年度をめどにする本格導入まで時間がない中で、必要な人員をどう確保するのか。国は速やかに具体策を示す必要がある。
 一方で、1人の学級担任が多くの授業を受け持ち、クラスの子どもたちと長い時間を過ごす学級担任制の利点も忘れてはならない。そうして築かれる信頼関係が子どもの心を支えてきた側面がある。
 特に小学5、6年は思春期の入り口に立つ難しい時期でもある。生活の異変やいじめの芽になるようなもめ事など、子どもの小さな変化を見逃してはならない。各教員の見守る目の連携がいっそう求められる。

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