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2020.12.24 08:00

【夫婦別姓】導入へ後退は許されない

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 選択的夫婦別姓を巡り、時代錯誤と言うほかない「骨抜き」である。
 自民党内で議論されていた第5次男女共同参画基本計画案が了承された。政府はこれを近く閣議決定する。
 当初、党の推進派は制度導入に前向きな表現を計画案に盛り込もうとしていた。しかし、反対派の主張で大幅に後退。ついには「選択的夫婦別姓」との文言も削除された。
 世論調査では、制度導入に「賛成」という声が「反対」を上回っている。それを裏切る行為である。
 同計画は今後5年間の女性政策の指針となるものだ。第4次計画での「検討を進める」よりも踏み込んだ記述が盛り込まれれば、法改正などの検討が進むと期待されていた。
 当初案では「婚姻前の氏を引き続き使えないことが生活の支障になっているとの声がある」と指摘。
 支障を例示し、「国会において速やかに議論が進められることを強く期待しつつ、政府においても必要な対応を進める」と明記していた。
 これに反対派が「導入ありきで恣意(しい)的だ」と猛反発。大幅に書き換えられ、「さらなる検討を進める」という表現に後退した。
 制度の名称まで消されたことで、国会などでの議論が停滞することも予想される。
 「政府から『国会の議論を求める』と言われる筋合いはない」。反対派の高市早苗前総務相は当初案に対し、露骨に不快感を示したが、的外れではないか。
 最高裁は選択的夫婦別姓を巡る判決で「制度の在り方は国会で論ぜられ、判断されるべきだ」と促している。にもかかわらず、議論を進めてこなかった政府や国会の怠慢があることを忘れてはならない。
 一方で、了承された計画案には「家族の一体感、子どもへの影響や最善の利益を考える視点も十分に考慮」との文言が盛り込まれた。
 保守層の「夫婦別姓を認めたら家族の絆が壊れる」という主張への配慮が込められている。
 しかし社会の実態として、事実婚だったり、再婚をしたりして親子が違う姓であっても、強い絆で結ばれている家庭は数多い。
 婚姻や家族の在り方は多様化している。政治が社会の変化に向き合わないことに違和感が募る。
 夫婦別姓を容認している公明党の議員からも、自民党の反対派は「昭和どころか明治時代の価値観に染まっている」と皮肉る声が出ている。
 「旧姓の通称使用の拡大で対応すべきだ」との意見もある。
 ただ、資格取得などは戸籍上の姓を使用する必要があったり、海外で出入国管理当局などから通称の説明を求められたり、姓を使い分ける負担が解消されることはない。
 また一人っ子が多くなり、改姓せず実家の姓を残したい人も増えている。夫婦同姓の法的義務は、結婚や出産を妨げる弊害にもなっている。
 国民の選択肢を広げるため、法改正が必要である。政府や自民党は制度導入へ議論をやめてはならない。

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