2020.08.06 08:30
【戦後75年 言葉を刻む】突然、目の前が真っ黄色になり、影がなくなった

突然、目の前が真っ黄色になり、影がなくなった
(高知市、植野克彦さん)
中学1年だった8月6日、広島市の爆心地から約1・5キロ南で被爆した。級友たちと学校農園へ向かう途中、すさまじい爆風で吹き飛ばされ、熱線で焼かれた背中の皮はずるりとむけた。数時間歩いて病院にたどり着き、意識を失った。
目を覚ましたのは玉音放送が流れた後。捜しに来た母から「お父さんも、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも駄目だった」と聞かされた。不思議と悲しさはなく、どうやったらかたきが討てるか、そればかり考えたという。
(2013年8月6日付夕刊、当時80歳)