2020.06.14 08:35
虚ろな税 奈半利事件の実相(7)通販化 公務員がバイヤーに

2015年の大みそか。駆け込み需要に対応するため役場で働く柏木雄太=右(奈半利町役場)
ふるさと納税の仲介サイトは、2012年にトラストバンク(東京)が他に先行して「ふるさとチョイス」を開設。楽天やJTB、全日空なども次々と参入した。
どのサイトも「何が届くか」「どの自治体の品が人気か」を前面に押し出す。寄付する人は返礼品を選んでクリック。寄付の入金もサイトで手軽にできる。
都市と地方の税収格差を是正する目的で始まったふるさと納税は、ITのけん引によって「ネット通販」と化した。自治体間の寄付金集めは一気に過熱。商品券やパソコン、宝飾品など返礼品の豪華さが競われるようになった。
2012年度に100億円だった全国の寄付額は、控除額の倍増と確定申告の簡素化も相まって2015年度は1600億円。2018年度は5千億円を超えた。
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奈半利町もこの流れに乗った。…