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2020.06.04 08:38

高知発の超極小粒子「マリモ」配合の歯科接着剤 ヤマキン開発

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ヤマキンが発売した「KZR-CADマリモセメントLC」(ヤマキン社提供)

「強く、治療時間も短縮」
 高知県香南市に開発・製造拠点を置く歯科材料メーカー、ヤマキン(大阪市)は、「マリモ」と呼ばれる超極小粒子を配合した歯科接着剤の新商品を発売した。マリモは、高知工科大学(香美市)と宇治電化学工業(高知市)が量産技術を確立した“高知発”の素材で、接着力を強くする効果がある。県内産学官連携で生まれた技術が実用化された格好だ。  

電子顕微鏡で拡大した「マリモ」 (高知工科大提供)

 マリモは、高知工科大学の小広和哉教授(62)が2011年に開発した酸化金属のナノ粒子構造体。直径約5ナノメートル(ナノ=1ミリの100万分の1)の粒子が、直径500ナノほどの大きさに集まり、「米粒が集まったおにぎりのような形状」(小広教授)が特徴。高知県の補助事業も受けながら、2013年に宇治電化学工業と共同で量産技術を確立した。

 マリモの配合で、表面の微細な凹凸が物質を引っかけて固定するため接着力の強化が見込める。ヤマキンは、歯のかぶせ物が外れるトラブルを減らそうと、ジルコニアで作ったマリモを配合した接着剤の開発を約4年前から進めてきた。

 開発でポイントになったのは、「最適な固さ」をどう出すか。接着力が強くなるマリモ効果はすぐ出たが、「固すぎても、すぐ乾きすぎても駄目。使いやすい製品にするための調整も大変でした」と、ヤマキンの溝渕真吾さん(34)。

 歯科医へのヒアリングや他製品との比較など重ねた末、このほど新商品「KZR-CADマリモセメントLC」の発売にこぎつけ、「強く、治療時間の短縮もできる接着剤になった。患者さんの負担を減らせる」と胸を張る。

 高知工科大学と宇治電化学工業も商品化を喜ぶ。小広教授は「マリモは丸くて美しくて、さまざまな可能性を秘めている。いろんな方の協力で製品化にたどりつき、感無量だ」、宇治電開発部の岡添智宏さん(46)は「地元同士の連携が実を結んだ。他の用途も模索していきたい」と話している。

 新商品は海外向けにも販売し、発売5年後で年間出荷額1億5千万円を目指す。 (竹内悠理菜)

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