2019.09.28 08:45
猟犬にマイクロチップ モラル向上へ助成金 県猟友会

犬の首筋に注射筒で入れるマイクロチップ。数秒で済む(高知市内の動物病院)
6月の法改正で、ペットショップで販売される犬猫へのチップ装着の義務化(実施は3年以内)が決まるなど動物愛護への関心が高まる中、猟犬への誤解を招かぬために襟をただす狙い。本年度補正予算として250匹分、50万円を計上している。
猟期が終わって不要になった犬を、山野に置き去りにする不心得な行動を抑止するとともに、猟の最中に迷子になって後日、捕獲された場合など、すぐに返却できる利点もある。
チップ装着は動物病院でのみ可能。チップ本体(1500円相当)は県獣医師会が会員病院に無償配布しているため、猟師の負担は装着料と登録料、診察料などの計4千円弱~約6千円(病院により異なる)。猟友会は、1匹につき代金の2分の1、上限2千円までを助成する。
県猟友会が把握している県内の猟犬は約800匹。他にも多数いると言われ、250匹分では足りないが、高橋会長は「義務ではなく希望者への助成なので、まずは様子を見て、申請が多ければ予算追加もある。順次増やし、いずれ装着が当たり前になってくれれば。敬愛される団体を目指します」。
この取り組みについて大日本猟友会(東京)の浅野能昭(よしあき)専務理事は「他県では聞いたことがなく素晴らしい試み。全国に広がってほしい」と期待している。(掛水雅彦)
《ズーム》マイクロチップ 長さ10ミリ、直径2ミリ程度の円筒形の電子器具。注射器に似た器具で、犬や猫の首の後ろの皮下に埋め込む。15桁の番号が記録されており、専用機器で読み取ると、データベースに登録された飼い主情報と照合できる。