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2002.02.11 12:00

土佐の果物語(4) 第1部 (4)不安 気候がおかしいぞ

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山の斜面に沿うように広がるナシ園(吾川郡伊野町池ノ内から高知市針木方面を望む)

 名人の川渕知巳さん(76)をはじめ、高知市針木のナシ農家が心配していることがある。川渕さんが言う。

 「毎年十二月に肥料をやりゆうけんど、昔は月の半分は北西の風が吹いて落ち葉も何もかも飛びよった。さぶかった。ところが最近は着込んで作業をするいうことがほとんどない。それぐらい温度が違うちゅう」

 気候の変化。地面に生える草も変わった。昔は目にしたキキョウ、オミナエシなどがなくなった。最近は初めて見るような草が生えてきたり、一年ごとに違う草が生えるという。

 高知地方気象台の調べでは、高知市の年間平均気温は上昇傾向にある。同気象台は「一九五〇年代ごろから年ごとの上がり下がりはあっても基調として気温は上昇しています。その原因の一つが都市化」と分析する。

 一九五〇年代以降といえば、戦後の日本が驚異的な経済成長を始めた時代。自動車や空調機器の熱が都市を“加熱”し、コンクリート構造物がそれを増幅した。

 このままの状況が続くと、二一〇〇年までに年平均気温は一-三・五度上昇すると見られているという。年平均一度の違いとはどれぐらいなのか。最近の例でいうと、“平成のコメ不足”に見舞われた五年の冷夏と翌六年の干ばつ。この二年の年間平均気温を比べると、六年の方が一・一度高かったという。気候に与える一度の“衝撃”がいかに大きいかが分かる気がする。

 また、長期的に見ると降水量自体は減少し、短時間に強い雨が降る「どか降り」が増加するとも予想されている。

 産地の周辺でも都市化や住宅化が進む。十四年の高知国体までの開通を目指す高知自動車道伊野-須崎間は、高知市針木のナシ産地を通る。風向きや水系はちょっとしたことで変化するらしい。あの貴重な仁淀川の川風が、自動車道の影響を受けることはないのだろうか。

 不安感の中、一昨年と昨年は二年続きで「こんなことは今までで初めて」という現象が県内のナシ産地を襲った。(経済部・竹村朋子)

高知のニュース 土佐の果物語

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