2016.03.19 22:44

小社会 「日本は(射程の短い)戦術核兵器でも憲法上保有でき…

 「日本は(射程の短い)戦術核兵器でも憲法上保有できない」。1978(昭和53)年、衆院外務委員会での園田外相の答弁だ。自衛の範囲内なら核兵器も保有できる、というのが政府見解。これに反するように思えるがなぜか。

 外相が根拠にしたのは非核三原則に加えて、日本も締結国である核拡散防止条約。憲法は条約の順守義務を規定している。だから仮に防御的な核兵器があっても持てぬとした。

 昨日の参院予算委。横畠内閣法制局長官が「憲法上あらゆる種類の核兵器の使用が禁止されているとは考えてない」と述べた。日本防衛のための必要最小限度のものとし、実際の使用は現実的ではないとも言っている。

 それでも従来の保有の是非論から一足飛びに、使用にまで踏み込んだ意味は重い。そもそも必要最小限度の核兵器とは何か。安倍首相も官房副長官時代、「小型であれば原子爆弾の保有も問題ない」と述べていた。小型、大型の線引きをすることにどんな意味があるのか。

 一瞬にして無辜(むこ)の民を大量に殺りくする核兵器を再び使用する。それも唯一の戦争被爆国である日本が。そんなことを想定すること自体、広島、長崎の被爆者らに対する冒瀆(ぼうとく)である。

 非核三原則も核拡散防止条約も変わっていない以上、園田外相の答弁も揺らぐまい。内閣法制局が憲法の番人を自称するなら、積み上げてきた事実の重さにもっと謙虚であるべきだ。
カテゴリー: 小社会コラム


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