2016.03.10 16:31

小社会 やはり、と思う。福島の原発事故から5年を迎え…

 やはり、と思う。福島の原発事故から5年を迎え、共同通信が実施した全国の知事、市町村長へのアンケートで、65%の首長が原発比率を減らす、将来はゼロになどと「脱原発」を要求した。

 市町村長らは常に住民と向き合う。そこに東京の永田町、霞が関とは違う論理がある。県内では34市町村のうち52%に当たる18市町村が「原発ゼロ」と答えた。この比率は福島を上回り、全国で最も高い。

 本県は原発絡みの国策に、過去2回「ノー」を突き付けたことがある。1980年代の窪川原発、2000年代後半には東洋町の核廃棄物最終処分場の誘致問題。いずれも福島原発の事故以前だ。

 当然のことながら両方とも、賛否が割れた。窪川町では推進派町長のリコールが成立、直後の町長選で再選するなど曲折があった。町長辞任、計画が頓挫するまで約8年。東洋町の場合は町長の計画受け入れ表明が唐突なこともあって、出直し町長選の敗北でケリがついた。

 「民主・自主・公開」を原子力三原則という。いわば民主主義そのものだが、その実践はたやすくはない。結論に至るまでには、住民も悩み苦しみ、ときには傷つきもする。だがその過程は民主主義を強くする。

 住民らの葛藤の歴史を見れば、原発の賛否という結果より、民主的なルールに沿って、自分たちで決めたこと自体が尊い。福島事故5年を経て安倍政権と電力業界は、いったい何を学んだのか。
カテゴリー: 小社会コラム


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