2016.03.08 14:41

高知県議会で単独補助金ファミサポ開設や3大学就職状況を議論

 高知県議会2月定例会は3月7日、一問一答形式の予算委員会を開いた。子育て支援を受けたい人と手助けができる人をつなぐ仕組み「ファミリーサポートセンター事業」について執行部は、子育て世帯の多い市部を中心に2019年度末までに県内で13カ所以上のセンターを開設する、との目標を示した。

 ファミリーサポートセンター事業は有償ボランティア制度で、1994年度から国の補助事業として始まった。保育所への送迎や放課後児童クラブ終了後の預かりなどを必要とする住民と、支援できる住民がセンターに登録し、アドバイザーが仲立ちする。

 ただ、「会員登録50人以上」という国の補助要件が壁となり、高知県内では高知市と高岡郡佐川町の計2カ所の設置にとどまっていた。

 予算委員会で尾﨑正直知事は「(2016年度から)『高知版ファミリーサポートセンター』として、会員数が50人未満であっても県単(高知県の単独補助金)で応援し、さらに普及できればと思う。子育てしながら働きやすい環境をさらに整えていく」と答弁した。

 岡崎順子文化生活部長は、保育士OBや高齢者グループなどへの参加を呼び掛け、リーフレットの作製などを通じて周知を図ると説明。「働く女性の支援は喫緊の課題だ。少なくとも2019年度末までに全ての市を含め、13カ所以上で開設を目指す」と述べた。

 久保博道氏(自民)の質問に答えた。高知県は16年度一般会計当初予算案に、香南市などで新規開設する2カ所のセンターの運営補助金など1332万円を盛り込んでいる。

1万人のため!?

 出場者が年々増えている「高知龍馬マラソン」。大会直後の高知県議会2月定例会でも議論のテーマになっており、7日の予算委員会では自らも初出場した上田周五氏(県民の会)が、制限時間について取り上げた。

 高知龍馬マラソンの制限時間は、2013年の1回目から6時間。田村壮児教育長は今大会の完走率が85・4%だったとし、「他県の例を見て、完走率を高めるためにも制限緩和の方向性もあると思う」と前向きに応じた。

 ちなみに今大会には県議4人が出場した。「次回は1万人規模の実現を」と一般質問で聞いた桑名龍吾氏(53)のほか、浜田豪太氏(41)、大野辰哉氏(48)の全員が5時間台で完走した。

 上田氏は4人の中で最年長の66歳。「団塊パワーで次も出たい」と意欲を見せる上田氏に、委員会の終了後に質問の狙いを聞くと、「自分の完走のため? いやいや、そりゃあ1万人のランナーのためよ」。

■高知県議会 予算委員会■

【坂本孝幸氏(自民、南国市)】 マイナス金利の県経済への効果は

 【坂本氏】 県民所得の向上には企業の収益確保が大事だ。マイナス金利政策の高知県経済への効果は。

 【梶元伸総務部長】 日銀短観によると、高知県内企業の設備投資意欲は全国と比べても高い状態で推移している。新設住宅着工戸数を見ても、全国並みに一定水準の需要がある。マイナス金利政策を一定生かせる環境にあると考えている。旺盛な需要を後押しする形で企業の設備投資などが進展すれば、県経済の活性化を後押しするものと期待している。

 【坂本氏】 個人消費の伸びは鈍い。要因をどう考え、どんな対策を取るか。

 【尾﨑正直知事】 雇用が生まれ、賃金が上昇し、消費拡大に行き着くという流れになるのだと思う。雇用の点では1月の有効求人倍率が1・05になり、2015年の現金給与総額も12カ月のうち3カ月を除いて前年比プラスだ。いい方向に転じつつあるが、まだまだもう一段、雇用拡大、賃金上昇に力強さをもたらさなければ消費にまでは至らない。さらなる努力が必要だ。

【上田周五氏(県民の会、吾川郡)】 普通建設事業費は今後も総額確保を

 【上田氏】 2016年度予算案の普通建設事業費は1千億円。今後も総額の確保を。

 【尾﨑知事】 2016、2017年度に永国寺キャンパスなど大型事業がピークを迎え、地震対策も全速で行っている。以降はピークアウト(ピークを過ぎる)の影響も出るかと思うが、高知県には真に必要な事業がたくさん残っている。無駄を省きながら、力強く推進し続ける予算を組んでいく。

 【上田氏】 地方創生加速化交付金の申請状況はどうか。

 【梶総務部長】 全34市町村から計38事業、計14億8800万円の申請があった。事業内容は多岐にわたる。国に提出し、なるべく交付してもらえるよう対応していく。

【米田稔氏(共産、高知市)】 重度障害児の支援充実図れ

 【米田氏】 在宅の重度障害児の実態をどう把握しているのか。

 【井奥和男地域福祉部長】 2013年度に18歳未満の88人を市町村を通じて調べた結果、医療ケアが必要な児童は就学前8人、就学後17人だった。14年度には一人一人の状況を把握するためのシートを作り、現在はそれを活用して実態調査を市町村の協力で実施中だ。

 【米田氏】 一人一人の特性に対応できる施設整備や相談体制の充実を求める。

 【井奥地域福祉部長】 医療ケアの充実はもちろん、家族に寄り添う支援体制の在り方に留意し、サービスの充実・確保に取り組む。

【黒岩正好氏(公明、高知市)】 人口社会減対策で学生の県内就職は

 【黒岩氏】 人口減少に対応するため、雇用対策の充実が必要だ。県内3大学の県内出身者の就職状況は。

 【岡崎順子文化生活部長】 2014年度の卒業生を見ると、高知県立大学は県内就職94人、県外就職25人。高知工科大学は県内42人、県外46人。高知大学は県内161人、県外43人だ。

 【黒岩氏】 高知工科大学は県外就職の方が多い。

 【岡崎文化生活部長】 工学系の学生にとって、県内には知識や専門性を生かせる企業や求人が少ない。学生と企業のマッチングを強化し、企業の受け皿をつくることが大事だ。

 【黒岩氏】 高知工科大学の実態を踏まえ、対策にどう取り組むか。

 【原田悟商工労働部長】 2014年度末に3大学を卒業した学生のうち、県内就職は約28%。3大学と高知工業高等専門学校など(五つの高等教育機関)と高知県が結んだ連携協定では、全体の就職率を2019年度に36%とする目標だ。県内の魅力ある企業の情報を細かく学生に伝えていく。

【久保博道氏(自民、高知市)】 働く子育て女性 支援は社会全体で

 【久保氏】 子育てしながら働く女性を社会全体で応援することが求められている。

 【尾﨑知事】 ファミリーサポートセンターの普及促進を徹底して図っていきたい。国の事業に乗るには会員を50人以上集めるのが要件で、これが大変高いハードルになっていた。(2016年度からは)高知版ファミリーサポートセンターということで、会員数が50人未満でも県単で応援する。子育てしながら働きやすい環境をさらに整えていく。

 【久保氏】 支援を提供する会員と支援を依頼する会員のバランスが大事だ。

 【岡崎文化生活部長】 研修を県独自で開催し、保育士OBや高齢者グループ、女性団体などに受講を呼び掛ける。リーフレットを作製し、ファミリーサポートセンターを幅広く周知していきたい。

 【久保氏】 ファミリーサポートセンター普及を頑張ってもらいたい。設置数の計画は。

 【岡崎文化生活部長】 働く女性の支援は喫緊の課題だ。2019年度末までに少なくとも全ての市を含めて13カ所以上で開設を目指して取り組んでいきたい。

【坂本茂雄氏(県民の会、高知市)】 復興まちづくりへ協議会の組織化を

 【坂本氏】 震災の事前復興には、住民の対応力を向上させるため、平時から地区まちづくり協議会の組織化を行っていくべきだ。

 【福田敬大土木部長】 平時から行政と住民が議論を行うことが、早期の復興につながる重要なことだと認識している。そのために、まずは高知県や市町村の職員が復興に関する立案力や提案力、コミュニケーション力を一層高める必要がある。2016年度から4市町を対象に復興計画作りの実践的な訓練を行う。訓練では、まちづくり協議会の組織化に向け、構成員やリーダー的役割を担う人の選出方法などについて市町村と協議していく。住民向けの分かりやすい資料作りにも取り組む。
カテゴリー: 政治・経済


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