2016.03.05 14:37

小社会 「(日銀の)黒田総裁と一緒に就任した某副総裁は…

 「(日銀の)黒田総裁と一緒に就任した某副総裁は、2年で2%が達成できなければ辞任すると大見得(おおみえ)を切っていたが、一体どうなったのか」。先月の高知新聞「視点」で野中尚人学習院大教授が、疑問を呈していた。

 2%は物価上昇率を指している。野中教授が指摘したことは確かにあった。日時は2013年3月5日で、舞台は衆院議院運営委員会。日銀の副総裁候補だった岩田規久男学習院大教授は、政策に対する所信をこう述べている。

 デフレ脱却に向けて日銀が設定した2%の物価上昇については「遅くとも2年で達成する」。もし実現できない場合は「最高の責任の取り方は辞職することだ」。岩田氏は参院委員会でも同じような所信を表明し、副総裁になった。

 発言から2年どころか丸3年になる。案に相違して物価は低空飛行。副総裁の肩書は取れていないから「一体どうなったのか」という疑問が上がるのも無理はない。

 そんな責任論は別にしても、賃金や年金の上がらない人にとって2%の物価上昇にどんな意味があるのだろう。安倍首相の言う経済の好循環が実現すると、回り回っていいことがあるのだろうか。

 黒田日銀が新たに始めたのは初のマイナス金利。「かえって家計が防衛的になり、消費を抑える懸念がある」。ある識者が、きのうの高知新聞でこんな見方を示していた。心理までもマイナスになるのかどうか。アベノミクスは胸突き八丁へ。
カテゴリー: 小社会コラム


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