2016.10.09 08:05

小社会 ことしは明治の文豪・夏目漱石の没後100年に当たり…

 ことしは明治の文豪・夏目漱石の没後100年に当たり、漱石関連の企画展や話題も多い。NHKは毎週土曜に4話続きで「夏目漱石の妻」を放映しており、昨夜は第3話だった。家庭人としては気難しい一面のあった漱石を妻鏡子の視点で描く。

 その第1話で高知県ゆかりの女性が、姿はなけれど夏目夫妻の間で話題になる場面があった。名を大塚楠緒子(くすおこ)という。高知市出身で東京控訴院長を務めた大塚正男の長女として、東京で生まれた。

 和歌や絵画、小説にも秀でた「お嬢さま」で、「高知県人名事典」には「明治の文壇で樋口一葉を継ぐ」といわれたとある。おまけに楠緒子は、誰が見てもほれぼれするほどの美人だった。漱石の親友で美学専攻の帝大教授、大塚保治と結婚した。

 3人の関係から、英語教師の漱石が東京を去り、松山中学に赴任したのは楠緒子に失恋したからだとうわさが立った。真相はやぶの中だが、漱石は作家になったあとも楠緒子の美しさをたたえる文章を書いている(硝子戸の中)。

 3人の親交はその後も続いたが、楠緒子は30代半ばで病死した。訃報を聞いた漱石は〈ある程の菊投げ入れよ棺(かん)の中〉と一句を手向けた。もしも漱石が楠緒子と結ばれていたら、松山へは行かなかったろうか。ならば名作「坊っちゃん」は生まれていまい。妻鏡子あっての漱石といえる。

 国民的作家は死後1世紀を経てなお、さまざまな連想を呼んで楽しい。


10月9日のこよみ。
旧暦の9月9日に当たります。 きのえ ね 六白 大安。
日の出は6時06分、日の入りは17時40分。
月の出は12時52分、月の入りは23時31分、月齢は8.1です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時41分、潮位69センチと、17時24分、潮位120センチです。
満潮は12時05分、潮位146センチと、22時38分、潮位144センチです。

10月10日のこよみ。
旧暦の9月10日に当たります。きのと うし 五黄 赤口。
日の出は6時07分、日の入りは17時39分。
月の出は13時39分、月齢は9.1です。
潮は長潮で、干潮は高知港標準で6時07分、潮位73センチと、19時31分、潮位116センチです。
満潮は13時47分、潮位150センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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