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2021.10.23 08:25

清水ジオパークで元気象庁職員活躍 防災に経験生かす 専門員・土井さん

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土佐清水ジオパークの専門員として働く土井恵治さん(土佐清水市爪白)

土佐清水ジオパークの専門員として働く土井恵治さん(土佐清水市爪白)

 9月に日本ジオパーク認定を受けた土佐清水ジオパークで元気象庁職員の土井恵治さん(60)が専門員として働いている。地震や火山の防災業務に30年近く携わった経験を生かし、南海トラフ地震の最前線地で「ジオパーク活動を通して防災にも力を入れたい」と話している。

 土井さんは三重県生まれ。京都大学理学部に進み、同大学院では活断層などの地下構造を研究。1986年に気象庁に入った。

 地震火山部に長く在籍し、95年の阪神・淡路大震災をはじめ、2000年の有珠山や三宅島の噴火、14年の御嶽山噴火など数多くの災害対応に携わった。発生状況やその後の余震や噴火の見通しを示すことで、防災につなげる業務を担った。11年の東日本大震災では、国土交通省の災害対策本部で地震活動の状況や救難活動に必要な天候見通しを説明するなど、エキスパートとして働いた。

 07年に緊急地震速報の一般提供が始まる際には、人気アニメのキャラクターを起用したリーフレットを制作するなど浸透に尽力。20年度からは文部科学省の「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」の外部評価委員長を務めている。

 21年3月に同庁気象研究所長を退任。「自然に触れられて、知識も生かせるジオパーク専門員として働きたい」と、4月から高知県土佐清水市で勤務している。

 同市は「津波避難場所の設定や避難経路の看板が充実しており、中学生の防災小説の取り組みも続いている。しっかりと事前対策を行っていることが分かった」と土井さん。今後は、市の危機管理課と相談しながら、児童生徒を対象に地震や津波の怖さ、避難の大切さを伝える活動をしたいと話す。

 ジオパーク全体に関しては「地形地質を中心に特徴や魅力を伝えるだけでなく、室戸ジオパークをはじめ、他の地域には見られないところや力を入れるべきところを共有できるように勉強していきたい」と意欲を見せている。(山崎彩加)

高知のニュース 土佐清水市 防災・災害

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