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2021.10.19 08:37

マニアも満足?爬虫類ケージ 高知高専生が独自開発、模擬起業グランプリで販売へ

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爬虫類用の木製ケージを試作するメンバー。前面には観音開きの扉が付く(南国市の高知高専)

爬虫類用の木製ケージを試作するメンバー。前面には観音開きの扉が付く(南国市の高知高専)


 高知高専の3年生6人が、全国の高校生を対象とした模擬起業グランプリに挑んでいる。商品を開発・販売し、利益率や販売戦略などを競う大会。他校がコースターや本カバー、メークブラシといった〝小物〟を用意する中、高専が手掛けているのは何と「爬虫(はちゅう)類ケージ」。とびきりマニアックな商品だが、学生たちは「ユーザーが本当に欲しいと思えて、満足できる商品にする」と自信満々だ。

 大会は、NPO法人「金融知力普及協会」(東京)が主催。2回目の今年は49校が参加し、事業計画書による1次審査をクリアした高知高専など10校が本戦に進んだ。

 本戦出場チームは融資された30万円で商品を製作し、11月からネットなどで1カ月間販売。仕入れの交渉や広報、決算書作成なども行う。原資を超えた売り上げは参加校の収入となり、優勝校には100万円の旅行券も贈られる。投資や法律の専門家らが審査する。

 高専チームの中心メンバーは、情報セキュリティーコース所属の三沢拓真さん(18)。自宅でフトアゴヒゲトカゲやヒョウモントカゲモドキなどを飼育しているが、「市販品は引き戸が主流。扉が半分しか開かず掃除や世話などの手間がかかる」。さらに、新型コロナ下で全国的にもペット飼育が増えている状況から、独自のケージを作ることにした。

 前面の扉(アクリル板)を観音開き、側面のアクリル板や天板は取り外し可能となるよう設計。ケージの大きさはフトアゴヒゲトカゲなどを想定し、横90センチ、高さと奥行きは45センチとした。

 三沢さんが通うペット店「ももれおん」(高知市)のオーナーもアイデアを聞き、「人気が出るかも」。店頭販売に協力してくれることになった。

 チームメンバーは6人とも、同コース所属でもっぱら、ウイルス対策ソフトの開発に力を入れている。とはいえ、1、2年時に学んだ木材加工などの技術を生かして鋭意、ケージを製作中だ。

 11月1日から、ネットと「ももれおん」で最大20個を販売する。合板材で製造し、価格は2万8千円(送料・税込み)。うち3個は県産のスギを使ったプレミアム商品で、価格は3万3千円。20日に予約受け付けを始める。

 強気の価格設定は、「ビジネスとして持続できるよう、人件費も盛り込んだため。大会優勝を狙うのはもちろん、木製ケージの市場に挑みたい」と意気込むメンバーたち。今後、ツイッター(@beastie_cage)などで商品情報を発信する。(宮崎順一)

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