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2021.10.13 08:38

つながろう、医療的ケア児の家族 高知県内の母親らが会を立ち上げ

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母親の海部倫子さんと、座位保持装置で移動する尚翔君(海部さん提供)

母親の海部倫子さんと、座位保持装置で移動する尚翔君(海部さん提供)

 人工呼吸や胃ろうなど、医療的ケアが必要な子どもと家族を支援する法律が9月に施行されたのに合わせ、県内に「県医療的ケアの必要な子どもの家族の会」が発足した。代表の海部倫子(かいべ・みちこ)さん(39)=高知市塚ノ原=は「悩んでいる母親や父親とつながり、困りごとを皆で共有したい」と話し、仲間を募っている。

 医療的ケア児は全国に約2万人、県内に90人ほどいるとされ、医療技術の向上に伴って増加傾向にある。支援態勢が乏しく、母親が仕事を辞めてケアを担うなど家族に重い負担がかかる上、保育園や学校、福祉サービスの選択肢が少ないなど多くの課題がある。

 新たに施行された法律は、医療的ケア児の生活を社会全体で支援する基本理念を掲げ、国や自治体が相談体制を整備する▽学校や保育所に医療的ケアの可能な看護師らを配置する―ことなどが盛り込まれている。

 家族会は、障害児の保護者らのサークル「スマイル・サポートこうち」のメンバーのうち、県内で医療的ケア児を育てる母親6人が9月に立ち上げた。

 海部代表の長男、尚翔(なおと)君(7)は、出生前に胎盤がはがれる「常位胎盤早期はく離」で低酸素状態となり、脳の一部に損傷を受けて生まれた。

 飲み込み機能の障害で、鼻から挿入したチューブから栄養や水分を与える医療的ケアを受けながら摂食訓練を行っていたが、倫子さんの育児休暇中に入園可能な保育園が見つからず勤務先を退社するなど、さまざまな困難を経験してきた。

 家族会は、こうした実態に沿った支援態勢が整うよう、意見交換や要望活動に取り組むほか、勉強会なども開く。

 問い合わせは、メール(kochi.icare21@gmail.com)で。(松田さやか)

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