2021.09.23 08:35

魚信 はっぴぃ魚ッチ 釣り運上がる!?黄金チヌ 専門家もびっくり

ほぼ全身が黄金色のチヌ。普通の黒いチヌと比べると違いが際立つ
ほぼ全身が黄金色のチヌ。普通の黒いチヌと比べると違いが際立つ

 「真っ黄色というか、黄金というか。まあ、見に来て」

 高知市の浦戸湾に面した岸壁から、少し興奮気味の電話が魚信編集部に入った。

 12日午前8時ごろ。高知港で落とし込み(へち)釣りをしていた市内の西岡敏彦さん(66)の竿(さお)に、小気味よい当たりが伝わってきた。強烈な引きをいなしつつ引き上げると、水中から現れたのはなんと、黄金色のチヌ(クロダイ)だった。

 西岡さんはチヌ釣り歴40年。「黄色っぽいチヌは4匹目」というが、「これほど全身が黄色いのは初めて」とびっくり。

願いは釣果アップ? 黄金チヌを“拝む”釣り師
願いは釣果アップ? 黄金チヌを“拝む”釣り師
 釣り仲間の浦川信元さん(75)も、「珍しいねえ」と目を丸くする。少しシャイな西岡さんに代わって、黄金チヌをスカリ(立体型の網)を水中に沈めて生かしておき、連絡をくれたというわけだ。

 45センチの良型で、色は驚くほど鮮やか。目から口先までのごく一部を除いて、ひれも含めて全身が黄色く、阪神タイガースファンが喜びそうな1匹だ。普通のチヌと並べるとさらに違いが際立つ。

 「つりぐの岡林」(高知市)の“チヌ番長”こと川上大成さんでさえ、「初めて見たねえ~。マダイの養殖いけすから逃げてきたとか?」と驚いた様子。

 それにしても、あまりに色が違う。「そもそも本当にチヌなの?」と疑問が湧いてきた。チヌの生態を研究している、広島大学の海野徹也教授に画像を送ってみた。

 「鱗(うろこ)の枚数などからみて、チヌに間違いない。マダイとの雑種の可能性もないでしょう。部分的に黄色いチヌはいますが、ここまで鮮明に黄色い個体は珍しい」

 年間千匹ほどのチヌを見る生活を30年続ける海野教授をして、「初めて見た」と言わしめた浦戸の黄金チヌ。ただ、気になる原因は「不明」。遺伝子の突然変異で色素が欠乏する「アルビノ」とも違うという。

 生物の体色は、生息環境や食べている餌に影響されることが多い。しかし、この魚が食いついたのは、ほかのチヌと同じイガイで、特異な環境とも言いにくい。「何らかの色素異常か、代謝異常であることは間違いないのですが…」

 こんな経過を経て、珍しいチヌは高知大学の標本コレクションに加わることになった。

 さて、「黄金色」を見ると「なんか、いいことありそう」と考えるのが人の心。西岡さんは「宝くじでも買うか」と苦笑いだったが、貧果続きの魚信編集部としては、黄金チヌにあやかり釣果アップを願いたい。

 ささ、新聞を開いてくれている釣り師の皆さんも、拝んで、拝んで。(本紙・ハチ)

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