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2021.09.19 08:00

小社会 お葬式

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 きのうに続いて映画の話。1984年公開の伊丹十三監督のデビュー作、「お葬式」。ともすれば真面目に人生を突き詰めるあまり低迷期にあった邦画の中で、上質のユーモアは異彩を放った。

 後に続く「マルサの女」などでも社会性と娯楽性を両立させる手腕はさすがだった。「お葬式」では妻の父親の葬儀を取り仕切る主人公が、親類縁者や関係者に悩まされる。中でも大滝秀治さん演じる初対面のおじさんのキャラクターは絶品だ。

 葬式の礼儀や作法についていろいろ口やかましい。映画を見た後、自身の伯母の葬儀があった。めったに会わないおじさんが墓の向きまで指図していた。そっくりさんぶりに思わず噴き出しそうになった。

 愛する人の死という重いテーマに直面してなお、人間はもの悲しくも「これも運命」という思いが去来するのだろうか。苦しい時ほどユーモアが救いになる。そんな日常であればいいが、なかなかそうもいかない。

 経験に照らせば、子どもたちは決して悲観的にならない。何周忌という年祭では、おすしなどのごちそうが大の楽しみ。同年代の親戚の子と、はしゃぎ回っては、あっという間に日が暮れたことを思い出す。せめてそれが故人に対する供養になってくれればいいが。

 伊丹監督が描いた人間群像は一癖も二癖もある人たちだ。それでいて各人の憎めない魅力を存分に引き出した。あすは秋の彼岸の入り。


9月19日のこよみ。
旧暦の8月13日に当たります。かのえ うま 六白 友引。
日の出は5時52分、日の入りは18時07分。
月の出は17時33分、月の入りは3時39分、月齢は12.1です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時28分、潮位184センチと、17時39分、潮位192センチです。
干潮は11時05分、潮位32センチと、23時23分、潮位79センチです。

9月20日のこよみ。
旧暦の8月14日に当たります。かのと ひつじ 五黄 先負。
日の出は5時52分、日の入りは18時06分。
月の出は18時04分、月の入りは4時43分、月齢は13.1です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時12分、潮位193センチと、18時05分、潮位195センチです。
干潮は11時41分、潮位32センチと、23時54分、潮位67センチです。

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