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2021.09.19 08:41

ミツカンと高知県安芸市のユズ農家、連携40年で新ポン酢共同開発 果汁1・5倍で際立つ香り

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安芸市の農家らが開発に参加したユズポン酢「まっこと ゆず」

安芸市の農家らが開発に参加したユズポン酢「まっこと ゆず」

 ユズ農家の思い凝縮―。高知県安芸市のユズ農家が開発に参加したユズポン酢「まっこと ゆず」をミツカン(愛知県半田市)が発売した。味やネーミング、デザインに至るまで地元のこだわりがぎっしり。農家らは「まさに私たちのポン酢。全国の人に楽しんでもらいたい」と話している。

 同社は1977年の「ゆずぽん」発売時から安芸市のユズ加工場のユズ果汁を使用してきた。94年には同加工場のユズ果汁を100%使用した「かおりの蔵 丸搾りゆず」を発売するなど、地域と関わりを深めてきた。

 新商品を共同開発するきっかけは、同社商品企画部の柳谷惇さん(35)がユズ栽培の苦労を農家から聞いたこと。柳谷さんは「それまで単に原料として捉えていた側面があったが、ユズ一つ一つに農家の思いが込められていることを知った。その思いを伝えられる商品を一緒に作りたいと思った」と話す。

 地元農家の自家製ポン酢レシピなどを参考に、ユズを多めに使った約80種類を試作。今年4月、農家ら110人が参加した試食会で95%が「おいしい」と評価した味に行き着いた。

 新商品には「かおりの蔵」の1・5倍のユズ果汁を使った。食品添加物に頼らない自然の味わいを重視。だしや甘さを控えめにし、ユズ本来の香りが際立つように仕上げた。

 安芸市のユズ農家、千光士尚史さん(40)は「口に入れてから、後味までユズが香る。これはすごい」と太鼓判を押す。農家は市販のユズポン酢にユズ果汁を足す〝追いユズ〟をする人が多いというが、その必要もないという。

 試食の際も農家から「まっことユズが利いちゅうのお」との感想が漏れた。それをそのまま商品名に使用。ラベルデザインにも農家の意見を取り入れた。

ユズ畑でCM撮影に参加した地元農家(安芸市井ノ口乙)

ユズ畑でCM撮影に参加した地元農家(安芸市井ノ口乙)

 地元農家は宣伝用の印刷物にも名前、顔写真入りで登場した。今月上旬には農家7人がCM撮影に挑戦。ユズ畑でカメラの前に立ち「まあようだい言わんと食べてみいや」などと土佐弁丸出しのコメントを収録していた。

 「まっこと ゆず」は360ミリリットルで参考小売価格650円。近畿・中四国エリアで発売され、売れ行きが好調なら全国展開する予定だという。柳谷さんは「産地とともに40年歩んできた。ユズや高知県の魅力を全国に届けたい」と意気込んでいた。(森部智成)

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