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2021.09.16 08:40

仁淀川や町並み一望「黒岩スカイライン」復活へ 高知県佐川町の住民が整備中

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標高450メートル、尾根筋抜ける9キロの町道
黒岩スカイラインからの眺望。左奥に佐川町、右に越知町の町並みが見える(写真はいずれも佐川町・越知町境)

黒岩スカイラインからの眺望。左奥に佐川町、右に越知町の町並みが見える(写真はいずれも佐川町・越知町境)

 高岡郡佐川町黒岩地区の住民らが、かつて〝黒岩スカイライン〟と呼ばれた町道の復活に向けて整備を進めている。標高約450メートルの尾根筋を抜ける道は、佐川町や越知町の町並み、仁淀川を見下ろせる抜群の景観。地域の新たな観光資源にと、作業に汗を流している。

 佐川町道山本文城線など4路線にまたがるスカイラインは上黒原―平野間の約9キロ。地区の北側、越知町との境にそびえる通称〝黒岩山脈〟の尾根筋を走る。狭い山道ながら、ハイキングなどでは絶景を楽しむことができる。

高さ20メートルの巨大な遠見岩

高さ20メートルの巨大な遠見岩

 見どころの一つは「遠見岩」と呼ばれる巨大な一枚岩。高さ20メートル、周囲80メートル、重さ1万トン以上あるとされる。登って景色を楽しむこともでき、左手で触れると100歳まで長生きできるとの言い伝えも残っている。

仁淀川も見下ろせる

仁淀川も見下ろせる

 住民によると、スカイラインは昭和40年代半ば、林業用の作業道にと住民有志が町の補助を受けて数年かけて開設。横倉山や虚空蔵山、仁淀川、佐川・越知両町の町並みを見渡せることから、いつしか黒岩スカイラインと呼ばれ始め、子どもたちも遠足などで登っていたという。

 しかし、次第に道が使われなくなり荒廃。近年は雑木林が眺望をふさぎ、倒木で通れない箇所も出ていた。

「大勢の人が楽しめる場所に」と張り切る黒岩いきいき応援隊のメンバーら

「大勢の人が楽しめる場所に」と張り切る黒岩いきいき応援隊のメンバーら

 こうした状況に、集落活動センターくろいわを運営する住民グループ「黒岩いきいき応援隊」のメンバーが一念発起。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自主開催イベントが中止になる中、「スカイラインを復活させて地域の活性化につなげよう」と動きだした。

 昨年12月、60~80代の約15人で作業を開始。林業に携わる町の地域おこし協力隊員らも手伝い、草刈りや雑木の伐採を少しずつ進めてきた。現在は展望スポットが5カ所ほど復活し、遠見岩の近くなどには新たに木のベンチも設けた。

木の伐採などの作業を少しずつ進めている

木の伐採などの作業を少しずつ進めている

 作業は50~60%ほど完了し、11月にはウオーキングイベントも計画中。応援隊の永田滋会長(75)は「四季折々の自然や景色を楽しめる。健康づくりやレクリエーションなど、大勢の人に訪れてもらえる場所にしたい」と張り切っている。(楠瀬健太)

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