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2021.09.15 08:40

子どもの悩みに寄り添い...チャイルドラインこうち代表の関田浩美さん死去

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「チャイルドラインこうち」の活動について自作のポスターを使って説明する関田浩美さん(2010年11月、遺族提供)

「チャイルドラインこうち」の活動について自作のポスターを使って説明する関田浩美さん(2010年11月、遺族提供)

包み込む優しさ「心の居場所づくり」
 子どもの悩みに寄り添う無料の電話窓口「チャイルドラインこうち」の代表理事、関田浩美さんが8月に乳がんで死去した。享年60。しんどさを抱える子どもと電話でつながり、「心の居場所づくり」に尽力。包み込むような優しさと強さを併せ持った、誰からも頼られる存在だった。

 関田さんは育児の傍ら、PTA活動や学校での読み聞かせボランティア、交通安全指導員、保護司など、子ども支援の活動に数多く関わってきた。2010年発足のチャイルドラインこうちも、その一つ。いじめや虐待、進路や恋愛…。電話口から届く子どものさまざまな思いに、耳を傾けてきた。

 近年は電話の「受け手」のサポート役を務め、相談内容のデータ入力や印刷、郵送など事務作業も担っていた。関田さんの娘たちは、母が自宅で夜遅くまで作業する姿をよく見ていたという。

 「子どもの支援が(妻の)生きがいだった」と夫の憲雄さん(63)。「―こうち」発足前から活動を共にしてきた副代表理事の呉静恵(くれちょんへ)さん(58)は「優しくて、責任感、使命感の強い人。みんな頼りにしていました」と人柄を語る。

 5年ほど前にがんが分かった後も、痛みを押して活動を続けた。

 今年3月、団体が高知新聞厚生文化事業団の助成を受けた際には、「座っているのもつらい」という状態ながらも「新型コロナ禍で寂しさや不安を抱える子が増えている。そうした子どもたちと、もっとつながりたい」と前向きに話していた。

 そんな関田さんは、チャイルドラインの活動をこう語っていた。

 「傾聴に徹し、子どもの気持ちを受け止める。話を聞いてもらえると子どもは元気になり、自分がどうしたいか自分で決めることができる。私たちはその手助けをするんです」

 活動に携わったことで「自分の子どもへの声掛けも変わった。私も電話でつながった子どもたちと一緒に成長できた」と喜びも語っていた。

 新しく代表理事に就任した、小児科医の本浄謹士さん(53)は「子どもの置かれている状況は想像以上に厳しい。関田さんの思いを引き継ぎ、子どもの心を支える社会のリソースとして活動を続けていきたい」と誓った。(石丸静香)

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