2021.09.15 08:00
中土佐町の農家が〝トリニダード〟のトウガラシソース 五輪ホストタウンなどの縁で 高知県
いろいろな料理に合う「Oh! No!! Me!!!」(写真はいずれも中土佐町大野見下ル川)
東京五輪でトリニダード・トバゴのホストタウンになった高岡郡中土佐町で、同国ゆかりのトウガラシを使ったスパイスソースを販売している。「交流を何かの形で残したい」と地元農家が製造。「トリニダード・トバゴを知ってもらいカリブの味を楽しんでほしい」と呼び掛けている。
同町は2018年の音楽イベントが縁となり、19年6月にホストタウン登録。同国のスチールパン楽団を招くなど交流を続けてきた。20年以降は新型コロナウイルス感染拡大のため、オンラインで親交を深めてきた。
音楽を通じて交流していた農業の下村具裕さん(48)=大野見下ル川=は、選手の来町に合わせ何か記念品を作ろうと、同国原産のトウガラシ「トリニダードスコーピオン」のソースに注目。種を取り寄せ昨年、栽培を始めた。
激辛トウガラシ「トリニダードスコーピオン」。サソリの尾のようにとがった形が特徴
「―スコーピオン」は世界屈指の辛さで知られる。激辛好きの同国では香辛料を加えた液体調味料「ホットソース」として、日本のしょうゆ並みにあらゆる料理に使われているという。
下村さんは、「―スコーピオン」のほか、地元の万願寺トウガラシをメインにピーマン、ニンニクなどを十数種類の野菜や香辛料をブレンド。同国を知る知人らの協力を得て、日本人の口に合うスパイスソース「Oh! No!! Me!!!(オー ノー ミー)」を1年がかりで完成させた。
ただ、新型コロナの影響で、五輪後の選手の同町訪問は中止に。下村さんは「このまま終わるのはさみしい。ホストタウンとして何か一つでも残したい」と、8月、販売に踏み切った。
肉料理やカップ麺、ギョーザなど、ゆずこしょうに近い使い方でおいしさがアップするという。下村さんは「辛いだけでなく、旬の野菜のうま味を凝縮しました」と勧めている。
1瓶(60ミリリットル)880円(税込み)。道の駅「なかとさ」などで販売中。問い合わせは下村農園(0889・59・0229)へ。(富尾和方)