2021.09.10 08:40

高知県土佐市のブンタン寒波被害、収量8割減見込む農家も 「産地として少しでもおいしく」

寒波の影響で果実が少ない土佐ブンタン畑(土佐市甲原)
寒波の影響で果実が少ない土佐ブンタン畑(土佐市甲原)

 高知県内一の生産量を誇る土佐市の土佐ブンタンが、冬の寒波の影響で収量を大幅に減らしそうだ。例年の8割減を見込む農家もおり、樹勢を少しでも回復させようと懸命の作業が続いている。

 年間5千トン以上を生産している同市。今回の被害は生産者の7、8割が集まる北原地区と戸波地区に集中している。生産者らによると、今年2月の寒波で両地区では氷点下5度以下を観測。実を育む前の果樹が寒さでダメージを受けたことで、果樹の葉が落ちたり花を付けなかったりした。

 県によると、県内2番目の産地である宿毛市なども冷え込んだものの、順調に生産が進んでいる。「両地区は海から離れており、(山に囲まれ)風が抜けにくい地形だったことも影響したのではないか」と分析。積雪が解けにくくなったことも相まって、低温が長く続いた可能性があると指摘する人もいる。

 例年1本当たり100~150個収穫するという北原地区の森田修平さん(41)は「今年は50個も実が付いてない木もある」。少しでも収量を確保するため、普段なら間引いてしまう規格外サイズの実や傷物も育てている。

 戸波地区で60年ほど生産する宮地秀憲さん(79)も、県内を寒波が襲った1977年以来の収量減になるそう。「ブンタンは氷点下4度が4時間続いたらいかんと言われるけど、2月は氷点下6度まで下がった。2割採れたら上等」と肩を落とす。

 寒害で弱った果樹の回復には時間がかかる場合も。JA高知県とさし営農経済センターの担当者は「今回の被害は、数年先まで影響があるかもしれない」と心配する。

 それでも宮地さんは来年以降を見据え、木の体力を回復させるために根からだけでなく葉からも施肥。「ブンタンの産地として少しでもおいしいものを作らないかん」と力を込める。森田さんも「ブンタンは収量が少なくても買ってくれるお客さんが必ずおるのはありがたい。とにかく適度な気候が続いてほしい」と、祈るような思いで12月下旬からの収穫に向けて必死の努力を続けている。(山崎友裕)

カテゴリー: 高知のニュース農業高知中央

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