2021.09.06 08:30
国内最高齢で大往生にふ化、31歳マンドリルと25歳セネガルショウノガン 高知県立のいち動物公園
国内最高齢の31歳8カ月で天国へ旅立ったマンドリルのユリア(写真はいずれも香南市の県立のいち動物公園=同園提供)
旅立ったのは、マンドリルのユリア。ドイツで生まれ、2011年に繁殖のため同園にやって来た。環境に慣れてからは、広い展示場でのびのびと生活。繁殖には至らなかったが、同居する3頭の〝お母さん〟的な役回りを担い、他の雌の子を世話するなど優しい姿を見せていた。
マンドリルの平均寿命は25~30歳で、ユリアは人間なら90歳前後に相当する長寿。今年5月に国内最高齢となったが、7月ごろから食が細り、8月8日に寝室で他界した。高齢による多臓器不全だったといい、飼育員の北村香さん(47)は「群れをうまくまとめてくれる存在。もっと長生きしてほしかった」としのぶ。
セネガルショウノガンのクーとひな。甘えて背中に乗ることも
陸上で生息するアフリカ原産の鳥で、国内での飼育は同園のみ。雌の成鳥はクー1羽だけで、国内に比較例がないため、この年齢での繁殖が珍しいかは判然としないという。
体長約50センチ、体重約1キロのクーに対し、誕生時のひなは約35グラム。母鳥が運んでくる昆虫を食べて2週間で約110グラムにまで成長した。
一般公開日は未定だが、今後は展示場に出る訓練を予定。北村さんは「(繁殖の)予想はしていたが、何せ高齢。今年も産んでくれてありがたい」。愛らしいひなに目を細めながら、クーの頑張りをたたえていた。(深田恵衣)