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2021.08.27 08:40

海辺の日曜市(高知県黒潮町) にぎわいの場、会話も弾む

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「海辺の日曜市」を主催する住民有志の団体「まちづくりマーケットプロジェクト」のメンバーら(黒潮町入野)

「海辺の日曜市」を主催する住民有志の団体「まちづくりマーケットプロジェクト」のメンバーら(黒潮町入野)


 太平洋に面する高知県幡多郡黒潮町。入野地区の土佐西南大規模公園体育館横で月1回、住民有志らが開く青空市場が「海辺の日曜市」だ。

 並ぶのは野菜やパンといった食料品、流木で作ったいす、アクセサリー、竹とんぼなど多彩。運営する有志4人のグループ「まちづくりマーケットプロジェクト」のメンバーは「生活市と地域おこしイベントの中間くらい」と位置付ける。

 13年前、町教育委員会の職員だったメンバーの畦地和也さん(63)=現町教育長=が東京の代々木公園で朝市に遭遇した。地方出身の若者が並べた故郷の作物を品定めする大勢の客。「農家をリスペクトする人が多くて驚いた。自分は、実家の農業が嫌だったのに…」

 同時期、高知市では農薬や化学調味料を使わない食材などを扱う「高知オーガニックマーケット」が開かれ始めた。「黒潮町でもできないか」。畦地さんは考えた。

 高知市の名物、日曜市のように毎週開くのは大変。かといって、年1回では少なすぎる。持続可能な頻度を月1回と見込み、「試しに数カ月」のつもりで2009年11月に開始。たちまち200~300人が集まり、今に至るまで続いている。

 当初35店だった登録出店者も少しずつ増え、現在は約50店に。開設日には半数程度の約25店が店を出す。黒潮町のほか、四万十市や宿毛市、県外からも出店者を受け入れる。

 扱う商品は原則、出店者自身が育てたり作ったりしたものや、よく知る生産者から仕入れた品。生産の過程や生産者の人となりを説明でき、客との会話も弾むからだ。出店者も「市場に来れば仲間と会える」と、互いに商品を買い合って談笑を楽しんでいる。

 新型コロナウイルスの影響を受けた昨年、開催を6回中止。今年6~8月も感染拡大を受けて見送りを余儀なくされた。それでもスタッフの間では、市場を閉じるという話は一度も出ていない。

 「『10年やれば文化になる』と思って続けてきた。始めた当初も今も、楽しくやってます」と事務局の福岡和加さん(44)=同町入野。12年目を迎える市場は今後も長く、地域のにぎわいの一角を担っていく。(幡多支社・河本真澄)

《メモ》
 土佐西南大規模公園は佐賀地区、大方地区、中村地区の3カ所にわたる県立公園。「海辺の日曜市」は大方地区内で、毎月第2日曜の午前9時~午後2時に開催される。開催の可否は約1週間前に決めている。問い合わせは事務局(090・5275・0894)へ。

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