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2021.08.26 08:00

【コロナまん延】高知も危機意識を強く

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新型コロナウイルスの感染拡大で、政府は高知県を九州3県とともに、まん延防止等重点措置の対象地域に加えることを決めた。
 また、重点措置を発令中の16道県のうち8道県が緊急事態宣言に切り替えられる。宣言は計21都道府県、重点措置は12県と、全国の7割が対象地域となる。
 宣言、重点措置の対象は20日に拡大されたばかりだ。その効果が出ていない。感染力が強いデルタ株の猛威と、それに対応する取り組みの遅れが鮮明になる。
 夏休み明けの学校再開で感染リスクが高まる可能性が指摘される。子どもの感染が以前より多くなっていると懸念される状況だ。あらゆる想定の下で対応を強化したい。
 新規感染者や重症者の増加で医療は厳しい状況にある。自宅療養者の体調が急変し、適切な医療を受けられずに亡くなる事例も相次ぐ。
 高知県も一部感染者を自宅療養とする方針に切り替えた。病状の把握や救急搬送にほころびが生じないように確認が欠かせない。
 政府は自治体と連携し、医療提供体制の強化に取り組むとする。既に一部で設置されている臨時医療施設を全国に広げる意向や、症状が悪化した患者が酸素吸入を受けられる「酸素ステーション」の整備も打ち出している。
 ただ、これらは早い段階から必要性が指摘されていたことだ。対応の遅れが医療逼迫(ひっぱく)の一因となったと受け止め、命を守る対応を積極的に進める必要がある。
 全国知事会は先に、政府対応に強い不満を表明し、宣言や措置の全国拡大を求める提言をまとめた。
 感染が拡大すると対象地域を広げるこれまでのような対策では、効果が期待できなくなったと判断したようだ。東京五輪の祝祭気分に続き、お盆の帰省で感染が広がるとみられながら、国の対応が鈍かったことに批判は根強い。そもそも、行動自粛の協力を求めても、理解を得られない状況にある。
 強い対策を求める思いは、時限的な措置としてロックダウン(都市封鎖)の検討要請にもつながっている。それほど危機意識が強いということだろう。それ自体は理解できるが、強力な私権制限を伴う措置であり、慎重な対応が求められる。
 多面的な検討が必要となり、法整備による対応も想定される。それは臨時国会を召集して行うべきことだ。これまでのコロナ対応や姿勢の説明を通して議論を深め、理解と協力を求めることが不可欠となる。
 高知県の感染者数は急激に増加している。県の対応ステージを最も上の「非常事態」に引き上げて1週間ほどで重点措置の対象となった。
 重点措置になったからといって、劇的な変化が期待できるわけではない。重点措置から宣言へ引き上げられる他県の事例でも明らかだ。
 感染しない、させないように基本的な行動を守る。また医療体制の検証、充実も欠かせない。危機意識を持って乗り切りたい。

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