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2021.08.25 08:37

肌に優しく、藍で白髪染め 高知県香美市の生産者夫婦が事業化

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藍を使ったヘアカラー

藍を使ったヘアカラー

 高知県内では珍しい藍を栽培し、ヘアカラーを製造販売する事業所が香美市土佐山田町にある。依光文雄さん(78)、洋子さん(71)夫妻が経営する「藍里農園&コスメティクス」(同町楠目)。植物由来で肌に優しく「肌荒れなどに悩む人たちに使ってほしい」としている。

 50代の頃、市販のヘアカラーで抜け毛や頭皮の荒れに悩まされていた洋子さん。大阪にいた約15年前、インド伝承医学の講座で白髪をオレンジに染める薬草「ヘナ」を知り、より自然な髪色に染められる植物を探した。

 インターネットで藍染めの研究を知り、ヘアカラー化を構想。2009年、文雄さんの定年退職を機にUターンしてポットから藍の栽培を始め、徐々に生産量を増やしてきた。

 ヘアカラーは15年、香川県で藍関連の化粧品などを製造販売する会社と共同で開発し発売。18年に同社から特許権を譲渡され、従業員7人ほどで栽培から加工、販売までを手掛けるようになった。

 今年は2~3月、楠目と佐岡の2カ所に苗を植え、5~8月に約200キロの藍の葉を収穫。水洗いと乾燥を経て製粉し、ヘアカラーの材料に使う。

 研究機関の分析によると、藍のヘアカラーにはポリフェノールが含まれ、抗菌作用もあるとのこと。利用者からは「髪にこしが出た」「抜け毛が減った」と好評だ。

 「藍は研究の途についたばかり。多くの可能性がある」と依光さん夫妻。布の染料や化粧品の原料としても製造中で「かつて人々の生活に密着していたように、身近なものとして藍が広がってほしい」と話している。

 県内外のサロンで扱うほか、インターネットでも販売(30グラム入り、2千円~)。香美市のスーパー「バリュー」でも購入できる。(小笠原舞香)
藍の葉を収穫する依光文雄さんと洋子さん(写真はいずれも香美市土佐山田町楠目)

藍の葉を収穫する依光文雄さんと洋子さん(写真はいずれも香美市土佐山田町楠目)

布用に活用される藍の染料

布用に活用される藍の染料

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