2021.08.20 08:35
土佐塩の道保存会(香美・香南市) 命の道から人つなぐ
名物の「竹弁当」と「土佐塩の道保存会」のメンバー(香美市物部町庄谷相)
5月中旬、しっとりと雨にぬれた幅約50センチの山道を、約100人が列を連ねて歩く。山深い香美市物部町と、塩の産地だった香南市赤岡町を結んだ「塩の道」。かつて人々の暮らしを支えた産業道は今、ウオーキングコースとして脚光を浴びている。
きっかけは20年前の春。香美市の公文寛伸さん(83)ら有志8人が地元の山で、道しるべの石「丁石(ちょういし)」を掘り起こし、復活の機運が高まった。文献を調べ、斜面に階段を設け、標識を立て、埋もれていた道を整備。旅の安全を祈った道中の馬頭観音堂も修復し、足で歴史を感じられるようにした。…