2021.08.10 08:32
寄付集め、出し物考案…中学2年生が仕切る高知・西佐古の夏祭り、半世紀 地域の結束深め
中学2、3年生が中心になり盛り上げた西佐古夏祭り(香南市の西宮三社大明神)
「西の宮」の愛称で親しまれる西宮三社大明神で開かれる夏祭り。その年の中学2年生が「大将」と呼ばれる仕切り役を務める習わしだ。祭りが始まった年ははっきりしないものの、自治会長の溝渕紀夫さん(67)も大将を務めたというから、その歴史は優に50年を超える。<split>
1983年の西佐古夏祭り。小中学生が作った土俵で「はっけよい」。後ろのかき氷機は今も現役だ(西山健一さん提供)
新型コロナウイルスの影響で昨年は中止になっていたため、子どもたちは「ずっと楽しませてもらった祭り。絶やしたくない」。2年生4人と、昨年参加できなかった3年生3人が大将役となり、6月から地域の世話役らと話し合いを重ねた。
野市中3年の長井日葵(ひまり)さん(14)や、2年の森菜夏さん(13)らを中心に、寄付金集めに回ったり、出し物を考えたり。消毒を徹底し、参加者に住所を記入してもらうほか、名物の相撲も中止とするなどの対策を施した。
7月31日午後5時、祭りが始まると、7人はスーパーボールすくいに来た子どもの世話や、来客へのあいさつに大忙し。「最近会わんかった人に会えた」「またみんなと一緒に活動できてよかった」と喜んだ。
祭りは大盛況で、溝渕さんは「これからも子どもが地域で成長する西佐古の伝統が続いていってほしい」と目を細めた。(深田恵衣)