2021.08.06 08:30
30ペン目のまんが甲子園(4=終)〈きょう開幕〉忘れ物の心配なし!
6日から2日間の本選に挑む明徳義塾=上=と高知商業のチーム(コラージュ・宮川優希)
同校を含め予選を勝ち抜いた全出場校は、本選2競技(1次・決勝)のテーマ候補を、事前に五つ伝えられている。各競技がどのテーマになるかは当日の発表まで分からないため、本番に備えて5テーマ全てのネタを練り上げてきた。
チームで討論を重ね、準備万端で臨む明徳3年の李昕桐(リーシントン)さんは「ネットで(自分たちを)見られるのは緊張するけど、いつも通りやります」と意気込む。
本選に進んだもう1校の県勢は、高知商業高校コミックアート部。2年の大崎いぶきさんは「芸術系の高校も出る舞台で同じ土俵に立てるのはすごい。これまでの海外校の作品を見ると日本とは違う感覚で、塗り方一つ取っても勉強になります」。世界のライバルから受ける刺激に期待を膨らませる。
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オンライン開催の今大会は、出場する国内外全40校に旅行代理店の現地スタッフらを配置。競技が滞りなく進むようサポートする。
ある県外校のベテラン教諭は「例年『(カラーマーカーの)コピック一式を部室に忘れた!』といった事件が起きますが、今年は学校なので心配ない」。そう笑いつつ、「スポンサーがいる大きな大会で、日頃はおとなしい子たちが注目され、評価される。絵を描くだけじゃない、高知での経験をさせてあげたかったな」とぽつり。
福岡女子高校3年の山下美海(みみ)さんも「県内では漫画部がある学校が限られるので、他県の子と漫画を見せ合ったりするのが楽しみだった。外国の高校生とも交流したかった」と現地開催の見送りを残念がった。
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同じ趣味の仲間とのリアルな交歓や、熱気あふれる競技風景が魅力のまんが甲子園。再び高知で開かれる日が待ち遠しい。一方で、国境を越えた高校生の交流や大会ファンの裾野は、オンラインを活用しながらさらに広げられるだろう。
「今年の大会で、次の30年に向けた光明が少しでも見えたら」「今の苦労は将来生きるはず」と準備を進めてきた主催関係者。
「新しい様式」の今大会はきょう6日午前10時、動画サイト「ニコニコ生放送」で開幕する。(学芸部・徳澄裕子、谷沢丈流)
=おわり