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2021.08.04 08:42

漫画「解体屋ゲン」に高知の曳き家の苦境、モデルは高知市の職人・岡本さん コロナで仕事激減

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「次号と合わせ、自分が登場するエピソードとしては最高傑作だと思う」と話す岡本直也さん(高知新聞社)

「次号と合わせ、自分が登場するエピソードとしては最高傑作だと思う」と話す岡本直也さん(高知新聞社)

 建設現場を舞台にした人気漫画「解体屋(こわしや)ゲン」(画・石井さだよし、原作・星野茂樹)の最新話に、新型コロナウイルス禍で仕事が激減した高知県内の曳(ひ)き家職人の実体験が描かれている。モデルになった岡本直也さん(60)=高知市宝永町=は「コロナでキャンセルが続き、多くの同業者も打撃を受けている。現状を広く知ってほしい」と話している。

 岡本さんは、建物の傾きを直したり、移動させたりする曳き家。2011年の東日本大震災後、液状化現象に見舞われた千葉県浦安市などで需要が増し、関東に事務所を移設。同県と土佐町に資材倉庫を置いて、全国規模で仕事を受けている。

 しかし、昨年からコロナ禍の影響が徐々に出始め、受注予定だった仕事が取りやめになったり、先延ばしになったりするケースが増加。

 「国際線パイロットの施主さんの収入が減って古民家改修の話が立ち消えになったり、『現場にいろんな人が出入りするので不安。ワクチンが出回ってからにする』と延期になったり…。問い合わせは例年通り来るが、この7カ月間ほとんど仕事がなかった」

 倉庫に通って資材を磨くなどのメンテナンスをして気持ちを保っていたという。

 「解体屋ゲン」は、「週刊漫画TIMES」(芳文社)に長期連載中で、岡本さんは12年から実名キャラクターとして時折登場。作者から継続的に取材を受けており、「取り上げるなら、ぜひリアルに描いてください」とコロナ禍の苦境を赤裸々に伝えた。最新号には「潮が引くようにみるみる仕事がのうなってしもた」などと主人公に相談する岡本さんの様子が描かれ、次号にも実情を基にした物語が続く。

 岡本さんは「県外の(曳き家など)沈下修正業者からも厳しい状況を聞いており、うちだけの話ではない。読んだ方から共感の声が寄せられ、励みになっています」と話している。(松田さやか)

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