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2021.08.02 08:45

【動画】幻想的な海の〝桜吹雪〟サンゴが一斉産卵 高知県大月町

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 真っ暗な海の中を、おびただしい数のピンクの粒が舞う。7月29日夜、幡多郡大月町でスギノキミドリイシなどのサンゴが一斉に卵塊を放ち、夜の〝桜吹雪〟のような、幻想的な世界が広がった。

 午後9時すぎ、同町西泊の公益財団法人「黒潮生物研究所」前の波打ち際から本紙の水中ドローン(愛称・ぞぶりん)を潜らせた。目崎拓真所長ら先行する調査ダイバーのライトを頼りに数十メートル進む。水深2~3メートル、枝やテーブル状のサンゴが群生している場所に着くと、既に産卵が始まっていた。ダイバーが「このサンゴだ」と指で示してくれた。

 産卵シーズンは6月から9月半ばまで。満月から新月までの途中の「下弦の月」の夜に集中する傾向があるものの、水温や潮、サンゴの種類によって異なり、目崎所長は「タイミングを決める最終的な要素はまだよく分かっていない」という。

サンゴの上でピンクの卵塊が雪のように舞った (大月町西泊)

サンゴの上でピンクの卵塊が雪のように舞った (大月町西泊)

 ミドリイシの仲間が放出するピンクの粒は直径1~3ミリ。精子と卵子の入ったカプセル状で「バンドル」と呼ばれる。受精してふ化すると幼生となり、生息に適した場所を求めて泳ぎ回るという。

 一生のほとんどを動かずに過ごすサンゴ。はかない命の粒が、寄せては返す波に揺られながら、ついのすみかを探す旅に発(た)っていった。(森本敦士、飯野浩和)

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