2021.08.05 08:43

【全116回掲載】高知・馬路村農協、日替わり新聞広告4カ月完走!商品、歴史、秘話…若手が形に

 4月1日から高知新聞天気欄の「きのうの気温」右隣に掲載されていた安芸郡馬路村農協の広告が、きょう31日で終了する。異例の日替わり広告で、丸4カ月のロングラン掲載を“完走”。ゆずドリンク「ごっくん馬路村」などの商品紹介から農協の歩み、ユズや農協にまつわる秘話など、読者を飽きさせないネタを連日提供し、新聞広告の世界に新風を吹き込んだ。

【116回、全広告を一挙掲載!】


 「どうせやるなら、ちょっと変わったことをやろうやいか」

 全116回に及んだ日替わり広告を発案したのは、組合長の東谷望史さん(69)。当初から4カ月のプランを練っていたわけではなく、いくつか浮かんだ案で始め、その後は順次考える形で進めた。


 主なスタッフは東谷さんのほか、美術系大学出身の植田泰一さん(25)と安岡千尋さん(25)の若手職員2人。「農協、ユズのことを一番知っちゅう」と自負する東谷さんがメモ書きしたアイデアを渡し、2人が具現化した。序盤は「ごっくん―」や「ゆずこしょうチューブ」、ポン酢しょうゆ「ゆずの村」、焼き肉のたれといった商品の紹介から始めた。

馬路村農協の広告について話し合う(左から)組合長の東谷望史さん、植田泰一さん、安岡千尋さん=馬路村馬路

 だが「それだっけじゃ飽きられる。ネタはどっしこ(たくさん)あるがやき『明日は何が出てくるがやろ?』と話題になるもんにせんと意味がない」と東谷さん。一般には知られていないコールセンター、創建時期が不明なゆず神社など、遊び心も交えたネタを次々と紹介していった。

 「ここは赤やないといかん」「分かっちゃあせんなあ」。東谷さんに駄目出しをされては描き直しを繰り返した若手の2人。ただ、時には2人が意を決して「この言い回し、上から目線じゃないですか」などと進言。修正に至ったケースもあったという。

 「組合長の情熱に押されてついて行った。言い方はきついけど」と安岡さん。植田さんは「一発でOKが出た時のうれしさは格別だった」と振り返る。農協の歩みを広告化する中で、先輩たちの苦労を知るという副産物もあったそうだ。

 4月1日、一番最初に出した広告は「SDGs(持続可能な開発目標)な時代へ」。ユズ産業も、農協の組織も持続可能なものであれとの東谷さんの思いを反映したものだ。

 東谷さんは言う。「しまいをつけれるろうかと思うたが、若手の頑張りもあり乗り切れた」。組織の次代を担う若手の成長にもつながった4カ月間。「またやるか? うーん、その時に考える」と笑った。(植村慎一郎)

カテゴリー: 高知のニュースびっくり安芸

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