2021.07.22 08:34
魚信 はっぴぃ魚ッチ アユ感染「マスク」とは? クールで熱い魚病博士
「魚にとって、感染症を防ぐ『マスク』って何だと思います?」
こんな話をしてくれる、魚の病気の専門家が高知大学にいる。
農林海洋科学部の今城雅之准教授(44)。海の養殖いけすにも、アユの放流現場にも、革靴にジャケットを翻してさっそうと現れる。クールで熱い研究者だ。
ボケ病のウイルスを解説する今城雅之准教授。研究室にはアユざおがあるが…(高知大学)
大量死ショック
この時季、気になるのはアユの病気。県内でもしばしば、細菌性の冷水病などでせっかく放流したアユや、海から上がってきたアユが死んでしまう。元気なアユと勝負したい釣り師にとっても“死活問題”なのだ。
今城先生は、もともと海の養殖魚の病気が専門。しかし2014年、指導学生がコイの病気を調査したのをきっかけに、鏡川漁協の幹部から「先生、アユも見てくれませんか」と頼まれて川の世界へ。その年、鏡川で感染症による大量死が起きた。
「川で魚があんなに死ぬなんて想像したこともなかった。ショックだった」
県内河川で病死し、高知大学が調べたアユ