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2021.07.20 08:34

森散歩 笹ケ峰編(1)早や明けの浦

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どこまでも広がる雲の海。右手から朝日が昇った。下は雲海のない風景(土佐町の笹ケ峰=複数写真をパノラマ合成)

どこまでも広がる雲の海。右手から朝日が昇った。下は雲海のない風景(土佐町の笹ケ峰=複数写真をパノラマ合成)


 夜明け前。霧に包まれた棚田の間を縫って車を走らせる。土佐郡土佐町と南国市の境にある笹ケ峰(標高1131メートル)の登山口に着いた時には、空がかすかに白み始めていた。

 見たい景色があった。はやる気持ちを抑え、暗いスギ林を慎重に歩く。20分ほどで、見晴らしの良い小天狗岩に到着。よじ登った岩の上から顔を出した瞬間、まばゆい雲の海に目がくらんだ。

 「早や夜が明けたか」

 時は源平のころ。平家の残党をこの地まで追い詰めた源氏は、暗いうちに峠(現在のさめうら荘付近)で滅ぼそうともくろんだが、白々と夜が明け始めた。眼前には、海のように広がった雲。源氏の大将は「えれ、残念、早や夜が―」と悔しがったという。この伝説が「早明浦(さめうら)」の由来といわれる。

 町も川も、田んぼもダムも、すっぽり雲の下。土佐町の友人に連絡すると「曇り空だよー」。それは雲海なんですよー。

 今回の「森散歩」は笹ケ峰を歩く。(森本敦士)

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