2021.06.29 08:37
在宅患者と医師らつなぐ 宿毛市がオンライン医療実証へ
同市の医療機関は東西に走る国道56号沿いに集中し、高齢患者らが山間や沿岸部から通院する負担が課題となっている。一方、幡多医師会は2018年、電子カルテを複数の医療機関で共有する「はたまるねっと」を立ち上げ。幡多全域に拡大しており、医療現場での情報通信技術(ICT)活用が進んでいる。
実証事業は同市中央8丁目の大井田病院が担い、全国でオンライン診療システムを提供するメドレー(東京)のアプリを活用。慢性疾患で通院する患者のうち、スマートフォンやタブレットの所有者を選び、アプリを通じて医師が問診、薬剤師は服薬指導を行う。期間は12月までで、患者の負担解消につながるかなどを検証する。
28日は市と同病院が連携協定を締結し、アプリを使ったデモンストレーションも行われた。市は実証に合わせて離島の鵜来島にタブレット端末を配置し、島外の保健師が住民に健康相談も行う。中平富宏市長は「医療のICT化を積極的に進め、地域の課題解決に役立てたい」と話していた。(新妻亮太)