2024年 03月29日(金)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知龍馬マラソン2024写真販売
高知新聞PLUSの活用法

2021.06.16 08:40

和牛、メロン、ブリ、ウナギ…小中給食に豪華高知食材 コロナ禍で生産者を応援、食育にも 2020年度

SHARE

国、県の支援事業で給食に登場したブリの照り焼き(宿毛市の咸陽小学校)

 新型コロナウイルスの影響で外食需要が落ち込んだ高知県産品を支えようと、県内の多くの小中学校で2020年度、和牛やブリなどの高級食材が給食で提供された。子どもたちが舌鼓を打ち、生産者が助かったのはもちろん、学校は地域を知る食育にも役立てた。それぞれに〝おいしかった〟給食。21年度、おかわりはある?

 農林水産省の全額補助事業で、県やJAグループ高知が加工業者の食材購入費や県学校給食会が担う配送費などを負担、各学校給食センターなどに食材を無償提供した。

 食材は土佐あかうしを含む和牛、土佐はちきん地鶏、メロンの農畜産物3種と、養殖のブリ、カンパチ、マダイ、ウナギの水産物4種。昨年9月から今年3月まで、33市町村の300校以上で給食に使われた。「地鶏は年3回」など食材によって利用上限があり、総事業費は約2億円。

 ブリ約4千匹、マダイ約7400匹を出荷した宿毛市のすくも湾漁協の職員は「養殖魚は飼い続けるだけで餌代などの出費がある。価格が落ち、取引が減った中で生産者も喜んでいた」と話す。

 また各地の学校給食センター職員らはそろって「頻繁には出せない高価な食材が多く、ありがたかった」。各校で「あかうしのすき焼き」や「はちきん地鶏の唐揚げ」「うな丼」などの豪華メニューが登場したという。

 通常は県外を中心に出荷される食材が多く、学校では子どもたちが改めて地元産品を知る機会にもなった。

 同市樺の咸陽小学校では昨年12月、ブリの照り焼きが主菜の給食時間にこんな校内放送も。〈ブリの幼魚は何と呼ばれるでしょう…正解はモジャコです〉。市職員も学校を訪れ「このブリは宿毛でたくさん育てられようがで」とPR。児童は「あんまり家では食べん。おいしい」と笑顔で頬張った。

 県も農畜産物を提供した全校の児童生徒に食育のためのリーフレットを配布し、9校で出前授業を行った。

 21年度は農水省の事業主体が都道府県から民間団体に切り替わったこともあり、県は当初予算での事業継続は見送った。ただ好評を受けて、秋以降に県単独事業として再開できないか検討しているという。(新妻亮太)

高知のニュース 宿毛市

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月