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2021.06.12 08:44

アジサイ高知県内各地で見頃 野市の「街道」、西土佐の国道沿い

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 住民が手塩にかけたアジサイが高知県内の各地で見頃を迎え、梅雨に彩りを添えている。

ひ孫を抱いてアジサイ街道を歩く横田博さん。「来た人が喜んでくれるのを励みに25年やってきた」(香南市野市町西佐古)

四半世紀、憩いの場に 香南市野市町 
 香南市野市町西佐古から父養寺まで約1・2キロのアジサイ街道は、近くの男性が25年かけて手入れしてきた。農業用水路沿いの荒れ地に植えた20株の苗木は1万9千株に増え、市内外の人を楽しませている。

 「きれいやねえって言うてくれるき、もうそれだけよ」と話すのは、横田博さん(73)=西佐古。苗木を植え始めたのは48歳のとき、「アジサイがあればごみを捨てる人がおらんなるろう」との思いからだった。水路周辺は当時、犬猫の死骸や車などの不法投棄物であふれていた。横田さんは友人からダンプを借りて土を運び、遊歩道まで整備した。

 アジサイは毎年30株ずつ植栽を続けた。12、13年がたったころ、南の父養寺側から同じようにアジサイを植えていた故・岡田順一さんと遭遇し、今の街道が〝開通〟した。

 住民らは散歩コースとして親しみ、今では有志が横田さんと一緒に手入れに汗を流す。市外からも大勢が見物に訪れ、週末は100台近い駐車場が満杯になるほどだ。

 横田さんはこの時期、毎朝清掃に出向く。「今日もきれい」「よく手入れされていますね」と見物人から声を掛けられると、「自分でもようやってきたと思う」としみじみ。「今年は今までで一番大きゅうきれいに咲いた」と目を細めた。(深田恵衣)


花の名所へ住民協力 四万十市西土佐 
 四万十市西土佐江川崎―半家間の国道381号沿いでは、住民らがアジサイ約500株の世話に汗を流している。地元建設会社が地域貢献として苗を用意し、ボランティア男性が毎日手入れ。見頃を迎え、四万十川のせせらぎに包まれた色とりどりの花が通行人を和ませている。

アジサイを世話する中平三智男さん(左)と竹村綜合建設の金谷光人社長=四万十市西土佐江川崎

 約15年前、地元建設協会がボランティアでアジサイなどを植え始めたのがきっかけ。約8年前からは、同市西土佐江川崎の「竹村綜合建設」が苗の購入費を出しており、金谷光人社長(66)が近所で花好きの中平三智男さん(61)に世話を依頼している。

 アジサイは当初から倍以上に増え、「一年中楽しめるように」と桜やバラ、ツツジ、サルスベリなども植樹した。中平さんは毎朝5時から雑草を抜いたり、落ち葉を掃いたり。通勤、通学ルートで住民の散歩道でもあり「きれいなものを見ると心が洗われる。地元の人に喜んでもらえたら」。花を植え始めてから、ごみを捨てる人がいなくなったという。

 「長生の沈下橋」も近く、観光客の目にも触れやすい場所。金谷社長は「藤の瀬バラ園(同市西土佐大宮)など、地域には花の名所が幾つもある。ここも花街道にして、西土佐をにぎわせたい」と力を込めた。(今川彩香)

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