2021.06.08 08:41
幽玄、ホタルの舞 高知市鏡
ようやく夜のとばりが降りた午後7時半。待ちかねたように、明滅する小さな光がふわりふわりと川の上を漂う。こっちの草むら、あっちの林から、こんばんは。こよいもホタルの舞が始まった。
高知市鏡の的渕川。平家の滝から200メートルほど下流は人工の光がほとんどなく、ゲンジボタルの乱舞のみが山里を彩る。市内から来ていた幼い姉弟は、淡い蛍光を夢中で追いかけた。
幻想的な光景は、2時間ほどでたけなわを過ぎた。舞い疲れたのか、光はやがて、ぽつぽつと闇に消えていった。またあした―。(森本敦士)