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2021.06.04 08:38

「酒飲んで消毒」間違ってない? 胃の細菌減少、高知大グループが確認 コロナへの効果は不明

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培養した肺炎桿菌。塩酸のみに漬けた(左)と、ビールのみの(中央)では菌が減らないが、塩酸とビールに漬けた(右)はほぼ死滅した(松岡達臣教授提供)

 「酒を飲んでアルコール消毒するか!」。いかにも土佐人が言いそうなこのせりふ、あながち間違いでないことを、高知大理工学部の松岡達臣教授(64)=分子生理学=らの研究グループが実験で示した。胃に入った細菌などは、胃酸との相乗効果によりアルコール分の低いビールや日本酒でも死滅する可能性があるという。「酒飲みのざれごととは言い切れない」と松岡教授は言う。

 主に飛沫(ひまつ)感染や接触感染で拡大する新型コロナウイルスやインフルエンザなどへの効果は「不明」としている。

 胃酸には、細菌などの微生物の細胞を破壊する水素イオンが含まれている。ただ、肺炎桿菌(かんきん)など一部の微生物は、厳しい環境に置かれると休眠状態になり、水素イオンが細胞壁を通りにくくなる。

 実験は、胃に見立てたシャーレで肺炎桿菌などを培養。胃酸成分の塩酸と、濃度を変えたエタノール(エチルアルコール)を加えて、1時間後に死滅したかどうか観察した。

 その結果、肺炎桿菌は、ビールよりも度数が低い2・5%のアルコール分でほぼ死滅した。落ち葉などに付着するコルポーダという微生物も、アルコール度数20%に漬けると95%が死滅した。

イラスト・松本康裕

 松岡教授によると、手指の消毒には70~80%のアルコール度数が必要で、酒では効果がないとされてきた。しかし、「胃の中では水素イオンが多くあるため、低アルコールでも細胞が破壊される」という。

 胃での消毒は、酸性度が高くなる空腹時ほど有効で、食事が進むにつれて効果は薄まる。度数が高い酒ほど殺菌効果も高いが、「胃の粘膜を傷つけるリスクも高くなる。長酒、深酒は意味ないですよ」。

 また実験では、腸管出血性大腸菌O157はアルコール度数10%で半分ほどしか死滅せず、「酒での食中毒回避は難しい」という。

 松岡教授らは、今回の結果をまとめた論文を微生物学のネット専門誌に掲載する予定で、「例えばノロウイルスは酒による消毒が有効かもしれない。さらに研究していきたい」としている。(高井美咲)

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