2021.05.10 08:40
フランス人シェフ、個人のお宅へ出張します!高知市のジャーマンさん「料理で心つなぎたい」
お宅の台所でごちそう作ります―。高知市在住のフランス人シェフが4月、個人宅への出張サービスを始めた。洋食に加え土佐市の旅館で和食を学んだ経験も生かし、客の予算に合わせたコースや宴会料理を提供。「料理で人々の心をつなぎたい」と腕を振るっている。
ギビラト・ジャーマンさん(39)=高知市若草町。17歳からフランスの専門学校で料理を学び、クルーズ船や二つ星レストランで修業を重ねた。祖母がイタリア人だったこともあり、イタリア料理店の料理長も務めた。
英語を学ぼうと渡ったオーストラリアで、土佐市出身の真希さん(36)と出会い結婚。妻の里帰りをきっかけに同市宇佐町竜の旅館「三陽荘」から誘われ、33歳から同旅館で煮物やだしの取り方など和食の腕も磨いた。「魚のさばき方が海外とは全然違った。うまくできず、泣いて帰宅することもありました」と、今は笑顔で振り返る。
幅広い経験を糧に自分の店を開こうと、昨年9月に同旅館を退職した。ところがタイミング悪く新型コロナウイルス。開業は様子見とし、出張シェフを始めることにした。
客の家のキッチンを借りて調理するが、鍋などの器具や食器は持ち込む。料金はランチが3500円から、ディナーが4500円からで、内容や金額はその都度相談に応じる。県産食材をふんだんに使った料理を心掛けているという。
今月3日は、土佐市内で友人の集まりという女性8人に、タイのムニエルやボンゴレペペロンチーノなど6品のコース料理を振る舞った。女性らは「すごい本格的」「とてもおいしい」と舌鼓。ジャーマンさんも「店よりもお客さんの反応を近くで見られて楽しい」と笑顔だった。
宣伝はインスタグラムぐらいだが、「いろんな人の紹介で少しずつお客さんが広がっていて、ありがたい」とジャーマンさん。「自宅にいながら本場の味を楽しんでほしい」とPRしている。問い合わせは真希さん(080・2992・7982)へ。(山崎友裕)