2021.05.09 08:41
ジャンボタニシ、IoTで操れ!四万十市の水田で実験
稲の苗などを食べる通称ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の行動を、あらゆる機器を通信でつなぐIoT(モノのインターネット)の活用で制御する実験が、四万十市内の水田で進んでいる。雑草が多い場所に移動させて食べさせたり、逆に1カ所に集めて駆除したり。関係者は将来的な実用化に期待を込めている。
鳥谷さんは、水田の雑草をジャンボタニシに食べさせる無農薬栽培(通称ジャンボタニシ農法)で稲を育てている。ただ、個体数が増え過ぎると稲の食害につながってしまう。
一方、同社の研究開発部は、地域課題の解決を掲げて農業分野での先端技術活用を模索。ジャンボタニシの食害に注目しており、昨年6月には、水田中の数を把握するためドローンと人工知能(AI)を組み合わせる手法を同市で試した。
今年は4~5月の計6日間、ジャンボタニシの行動を電気でコントロールする実験を鳥谷さんの水田で行った。柳生准教授の研究で、水中に電流を流すと電極に集まってくる習性が判明しており、同社研究員はその助言を受けつつ、電極の間隔などを変化させながら、集まり具合を記録していった。
野口英司研究員(52)は「雑草の多いところに集めるとか、区画ごとに移動させられたら、というイメージ」。動き方は水温や気温によって違うことが分かったといい、「ジャンボタニシ農法の人と駆除に困っている人、双方が使える仕組みをつくりたい」と話している。(今川彩香)